三十二話〜最後のピース〜 ページ35
「あらジョディ!どうしたの?」
杯戸小学校にて。
女性が携帯を肩で挟み耳に当てながら丸付けをしていた。
「ーーって今日だっけ?飲みの約束してたの···」
『どう?小学校の先生にはもう慣れた?』
「ええ!外国帰りの美人教師で大人気!」
そこまで言うと、女性は眉をひそめる。
「ーーって言いたい所だけど···色々あって大変なのよねーー···」
解答用紙にペケをしながら女性は言う。
「今日もこの後児童の親と会う約束してるし···まあ、愛しの彼がいるから良いんだけど!」
頬を染めながら心底愛おしそうに女性が言った。
『彼って···別に付き合ってる訳じゃないんでしょ』
「そうだけど···満更でもないって彼の知り合いが言ってたし!」
告白紛いのことしても「ありがとう」で終わっちゃうんだけど、と拗ねた様に女性は言う。
「ーーっていうかあなた何でまだ日本にいるの?潜入捜査は終わったんだよね?」
『ちょっと、誘っておいて随分ね···こっちにも色々事情があるのよ···』
「じゃあまたね!」、とジョディは教師仲間であり親友からの電話を切った。
所変わってある公園。
白い車のなかで、美しい男女が話していた。
「澁谷夏子28歳···小学校教師···」
携帯に写っているのは先程の女性。
「誰よ?それ···」、とサングラスをかけたブロンドの女性が言った。
金髪の美丈夫は妖しげに笑いながら言う。
「僕の依頼人であり···なおかつ···」
彼は、碧い瞳を光らせた。
「僕が探し求めている最後のピースを···埋める手助けをしてくれそうな人物ですよ···」
「だから何なのよ?そのピースって···」
女性が質問すると、ドシャっと何かが潰れたような落ちたような音がした。
「今、誰かが階段から···」、とサングラスをずらしながら女性が音のした方を見る。
彼は、階段の上から去っていく人影、そして階段の下で頭から血を流して倒れている渋谷夏子を見ると、車から降りながら言った。
「どうやらパズルは完成しそうですよ···」
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チェスのクイーン - 有り難うございます！更新頑張ります！ (2022年2月5日 18時) (
レス) id: 12c047e2ba (このIDを非表示/違反報告)
AYA - この作品めっちゃ面白いです！ 更新頑張って下さい！ (2022年2月5日 12時) (レス) @page3 id: 38ab2f94d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：チェスのクイーン | 作成日時：2022年2月4日 20時
