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番外編〜ヘイスティングス大尉との出会い〜 ページ33

「三毛猫?」


或る休日の昼下がり。

荷風は公園にある自動販売機から買った◯後の紅茶を口から離した。

散歩中であった荷風は化粧(コンシーラー)で隈を隠している。
特務課の仕事が溜まっており、昨日、というか今日徹夜で電子頭脳(パソコン)とにらめっこをしていたからだ。
お陰で超眠い。

今回の散歩は気晴らしみたいな物だ。

そんな荷風の視界に現れた三毛猫は、興味を惹かれる物だった。
何故なら此の三毛猫、


「雄じゃん。」


三毛猫の雄は大変珍しい。
はっきりとした統計は無いが、確か3000〜3万匹に1匹しかいないと云う。
理由は遺伝子の関係なのだが、此処では省略させて頂く。


「野良猫か?首輪してないし···」


荷風が思案していると、


「あれ、荷風君と大尉?」


其処には、喫茶ポアロの看板娘、榎本梓がいた。







「へー、じゃあ此の子はポアロの看板猫ですね。」


喫茶ポアロで話を聞いた荷風は三毛猫、もとい大尉を抱き上げた。
どうやら此の猫、ポアロでしょっちゅう餌を貰っているらしい。


「若しかして、大尉って云うのは、アーサー·ヘイスティングス大尉が由来ですか?」


「そうなんですよ!マスターがつけたんです!」


梓が満面の笑みで頷く。
此の人は本当に純真無垢だな、と荷風は思った。


アーサー·ヘイスティングス
アガサ·クリスティ作、「エルキュール·ポアロ」の登場人物で、主人公ポアロの友人
コナン·ドイル作、「シャーロック·ホームズ」のワトソン的存在


(本当に平和な日常···)


荷風は無意識に目を細めた。


(あれ、何だか急に眠く·····)














カランカラン


「ただいま戻りました。」


店内に鈴の音と安室の声が響き渡る。

梓は安室に向かってシーっと口元に人差し指をあてた。

不思議に思い、安室が梓の方に行くと、


(ああ、成る程。)


最近帝丹高校に転校して来たという、永井荷風が机に突っ伏して眠ったいた。
そばには大尉もおり、こちらもぐっすり眠っている。

実をいうと、この永井荷風という青年、ただの高校生とは言い難い。
部下を使って調べさせたが、不自然なところがあるのだ。

だが、この無防備な寝顔を見ると、


(ただの17歳の高校生だな。)



















腐りません。

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チェスのクイーン - 有り難うございます!更新頑張ります! (2022年2月5日 18時) (レス) id: 12c047e2ba (このIDを非表示/違反報告)
AYA - この作品めっちゃ面白いです! 更新頑張って下さい! (2022年2月5日 12時) (レス) @page3 id: 38ab2f94d7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:チェスのクイーン | 作成日時:2022年2月4日 20時

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