二十三話〜slap the stick4〜 ページ24
「芥川先輩が女性と逢引し、しかも共に自宅へ。」
樋口は構えていた双眼鏡を下ろした。
「否、絶対に何か事情がある。そう、此れは陰謀だ、敵組織の刺客···潜入捜査官?何れにしろあの女の正体を暴き、先輩への陰謀を防がなければ!」
樋口は気合いを入れ直す。
(そう、此れは断じて個人的な趣味ではない。任務だ!確か昨日、此の辺りで···)
樋口の双眼鏡に、見覚えのある武装探偵社社員と見覚えの無い青年が映った。
「おっ、武装探偵社?何故奴らが此処に!?」
樋口は再び双眼鏡を構え直し、三人を観察する。
見てみると、何故か人虎があの女の写真を持っていた。
「武装探偵社と繋がりが···?しかし、今探偵社と事を構える訳には·····」
そう、ポートマフィアの首領、森鴎外に探偵社と敵対することを禁じれれていたのだ。
さすがに首領からの命令は無視できない。
「零細探偵社ごときに舐められてたまるk「俺達に何か用か。」どわっ」
樋口は突然聞こえてきた声に思わず転倒する。
其処には先程まで観察していた筈の三人がいた。
「ポートマフィアが何の用だ。お前達との衝突は、極力避けろとの社長指示だが、事と次第によっては、相手になるぞ。」
「特務課は別に止められて無いんですけどね。」
『理想』と書かれている手帳を掲げながら云う国木田と話から異能特務課らしい青年。
樋口は素早く体制を整えた。
(手練れ相手に二対一。しかも異能特務課となると強いに違いない。状況は最悪。)
樋口の脳裏に芥川の後ろ姿がよぎる。
(しかし、先輩のため···如何なる手段を用いても!)
目を見開く樋口に、其れに警戒する敦と国木田。
荷風は一歩後ろに引く。
(情報を聞き出す!!)
樋口は一瞬立ち上がったかと思いきや、バンっと力強く地面に手を着き、土下座した。
「教えてください!貴殿方の持っている其の写真の女性について!」
其の衝撃の行動に固まる敦と国木田。
「「え、えええええぇぇぇぇぇぇぇ!!!」」
「はぁ」
荷風は今日何度目か分からない溜め息を吐いた。
二十四話〜slap the stick5〜→←二十二話〜slap the stick3〜
75人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
チェスのクイーン - 有り難うございます!更新頑張ります! (2022年2月5日 18時) (レス) id: 12c047e2ba (このIDを非表示/違反報告)
AYA - この作品めっちゃ面白いです! 更新頑張って下さい! (2022年2月5日 12時) (レス) @page3 id: 38ab2f94d7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:チェスのクイーン | 作成日時:2022年2月4日 20時