二十話〜slap the stick〜 ページ21
「お願いしますよ田山さん!貴方だけが頼りなんです!」
ヨコハマの或る家にて。
荷風は特務課の仕事で或る人に御願いをしに来ていた。
其の『或る人』というのが·····
「嫌じゃ嫌じゃ!」
と何故か嘆いている布団にくるまり無償髭を生やしている此の男性。
元武装探偵社社員
田山花袋
異能力「蒲団」
何度も荷風は花袋に先程の様に御願いしているのだが、一向に頷いてくれる気配が無い。
出直してくるか、と考えていると、
「花袋、俺だ！入るぞ！」
と乱暴に扉を開け入ってくる眼鏡をかけた男性が。
その人に続き、銀髪で奇抜な髪型の青年も入ってくる。
「何だ此の塵は!足の踏み場も無いではないか!」と云いながらズカズカと進んでくる男性と、辺りを見回しながら入ってくる青年に、荷風はたらりと冷や汗をかいた。
(嘘でしょ···武装探偵社かよ！)
荷風は今潜入捜査の身。
人との接触は控えたい。
そんな荷風の心情は露知らず、二人は荷風と花袋がいる部屋の襖を開けた。
「この···引きこもりが!!」
武装探偵社社員
国木田独歩
異能力「独歩吟客」
武装探偵社社員
中島敦
異能力「月下獣」
二人は花袋一人だと思ったのだろう。
目を丸くして荷風を凝視してくる。
「えーと···」
荷風は苦笑しながら頬を掻く。
そんな荷風に国木田は
「お前···誰だ？」
と少し警戒気味に聞いてきた。
荷風ははぁと溜め息を吐くと、口を開く。
「異能特務課の永井です。貴殿方は武装探偵社の国木田独歩さんと中島敦さんでしょうか？」
そう云うと、敦はおずおずと頷いた。
「異能特務課が花袋に何の用だ。」
国木田の質問に荷風は「勿論仕事ですよ。」と答える。
「でも、中々引き受けて下さらなくて·····」
三人が布団の下にいる花袋を見つめると、布団がくねくねと動き出す。
「儂はもう駄目じゃ·····」
そんな様子の花袋に国木田は深く溜め息を吐いた。
「またか·····今度は何だ。」
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チェスのクイーン - 有り難うございます！更新頑張ります！ (2022年2月5日 18時) (
レス) id: 12c047e2ba (このIDを非表示/違反報告)
AYA - この作品めっちゃ面白いです！ 更新頑張って下さい！ (2022年2月5日 12時) (レス) @page3 id: 38ab2f94d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：チェスのクイーン | 作成日時：2022年2月4日 20時
