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十八話〜容疑者か京極真11〜 ページ19

「んなもん知るかーーー!!」


駐車場に小五郎の怒声が響き渡った。

小五郎の推理には矛盾があると山村が指摘し、其れにむしゃくしゃしたのだろう。


(本当にこの人名探偵?)


全然荷風やコナン、世良が辿り着いた真相に気付く気配も気付いている気配もないし、唯のへっぽこ探偵にしか見えない。
矢張り、何か有るのだろうかと荷風が考えていると、山村の部下が駆け寄ってきた。


「山村警部!実験の準備が出来たそうです。」


「え?実験?」


「毛利探偵が事件を解決するのに必要だからと言ってそれを警部が許可したと鑑識さんが·····」


不思議そうに云う部下に山村は頚を傾げた。


「はぁ?何を言ってくれちゃって···」


「んな言葉言った覚えは全くねぇぞ!!」


二人の言葉に部下は驚いた顔で云う。


「でも、鑑識さんが言うにはその少年が·····」


矛先が自分に向いて焦ったコナンは冷や汗を流しながら、


「と、とにかく行ってみようよ!ボク実験大好きだし·····」


と強引に話を逸らす。

此処までの会話で荷風はなんとなく察した。
つまり、如何やるのかは知らないが、今まで小五郎が解いてきたと思われている事件は全てコナンが解いていたのだという事を。

荷風は疾走って行ったコナンを追った。


一方世良は疾走って行ったコナンの背を静かに睨んでいた。
頭の中に有るのは先程兄から送られてきた電子手紙(メール)·『彼なら問題は無い』


(何で知ってたんだよ?兄貴がこの子の事を·····)



コナンの行き先は駐車場だった。
トイレの周りは水浸しになっている。


「なんだこりゃ?水浸しじゃねーか。」


この状況に疑問を持った小五郎が声に出す。
そんな小五郎に山村の部下は、


「でも、毛利探偵が指示されたんですよね?排水口にタオルを詰め、雨水をせき止めれ溜めてくれって·····」


と聞く。

この辺は地盤沈下で傾いているため、先程まで降っていた雨が溜まっていたのだ。


「だーかーらー、俺はそんな事·····」


パシュ


という小さい音を境に小五郎の言葉は途切れた。
「はにょ」という気の抜けた声を上げ、水浸しの地面に座り込む小五郎。
其の小五郎の後ろに素早くコナンが移動した。

其の様子を見た荷風は(成る程)とコナンが小五郎の振りをして推理するからくりを察した。


さあ、『眠りの小五郎』の推理ショーの始まりだ。

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チェスのクイーン - 有り難うございます!更新頑張ります! (2022年2月5日 18時) (レス) id: 12c047e2ba (このIDを非表示/違反報告)
AYA - この作品めっちゃ面白いです! 更新頑張って下さい! (2022年2月5日 12時) (レス) @page3 id: 38ab2f94d7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:チェスのクイーン | 作成日時:2022年2月4日 20時

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