十六話〜容疑者か京極真9〜 ページ17
「スタンガン?」
山村が頚を傾げる。
「ええ、先程鑑識さんに確認を取りました。」
山村は直ぐに鑑識に確認を取る。
どうやら本当の事だと信じたらしい。
「京極さんなら、腹に一発食らわせれば気絶させられる。」
そう、『蹴撃の貴公子』ならそんな事容易いだろう。
「でも、そう思わせるためにわざとスタンガンで·····」
「この空手の達人が護身用にスタンガンを持ち歩いているなんてとても思えないけど·····」
「空手の達人?」
山村は世良の言葉に鸚鵡返しで聞き返した。
「何度も優勝されてます!」
「400戦無敗の『蹴撃の貴公子』よ!」
続けて蘭と園子が勢いに乗って反論する。
其の言葉に納得したのか、
「それならそうと早く言ってくれちゃって···言ってくださいよ。」
と疑いは晴れたようだ。
するといきなり小五郎が不思議そうな顔をして山村に問い掛けた。
「山村、お前どっか調子悪いのか?」
「え?」
「だって前は『してくれちゃったりなんかしちゃってー』とか言ってたじゃないか!」
ギクッと躰を震わせる山村。
随分と個性的な口癖だ。
荷風の周り、というかポートマフィアや武装探偵社の人達も結構個性的な口癖だが。(一部除き)
「あ、あれは相手を油断させるためにわざと使ってただけで、警部になった私はあんな子供じみた口調は必要ありませんよ!」
「あ、そう·····」
明らかに
小五郎も気付いているらしく、呆れたような目線を送っている。
警部になったからといって口癖を改めようとするだなんて、結構大変だと思うが。
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チェスのクイーン - 有り難うございます!更新頑張ります! (2022年2月5日 18時) (レス) id: 12c047e2ba (このIDを非表示/違反報告)
AYA - この作品めっちゃ面白いです! 更新頑張って下さい! (2022年2月5日 12時) (レス) @page3 id: 38ab2f94d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:チェスのクイーン | 作成日時:2022年2月4日 20時