十四話〜容疑者か京極真7〜 ページ15
「えー、殺害されたのは中学校で体育教師をやっている丹波聖泰さん32歳···で、遺体を発見したのが同じ中学で理科の教師をやっている正木すなみさん、でしたよね?」
「はい·····」
群馬県警の山村警部の言葉に正木は重々しく頷いた。
「車の中にいなかったから、みんなで捜すことに·····」
「みんなとは?」
山村の疑問に小五郎が自ら名乗りを上げる。
「ここで偶然知り合ったこの俺、毛利小五郎だよ。」
「いやぁ、毛利さんでしたか!」
どうやら知り合いらしい。
探偵なら警察と知り合いでも不思議ではないが、群馬県警とまでなると、流石に事件に会いすぎでは?、と荷風が思っている間に話は進んでいく。
「で、戻って来たってわけだ·····この駐車場のトイレの中に、冷たい溺死体になってな·····」
死亡推定時刻は夕方の五時頃。
小五郎が説明し終わると、皆が一斉に話し始める。
「私たちが居酒屋に捜しに回り始めた頃だよね?永井君は電話に出てたけど。」
「何で最初にトイレを捜さなかったんですか?」
「南京錠が掛かっていたんです。ドアには『故障中』のは貼り紙もしてありましたし·····」
でも、戻って来た時は南京錠がなくなっていたからドアを開けてみたら中に丹波先生がいた。
山村が今までの情報をまとめる。
「という事は、被害者は車に寝かされてから、道子さんが様子を見に来るまでの間に何者かに連れ去られ、みんなで居酒屋を回ってる時にどこかで溺死させられ、みんなで駐車場に戻って来る前にトイレの中に遺体を入れた···というわけですね。」
山村が被害者の腹部に打撲痕を発見したことを話すと、京極が口を開けた。
「あ、それ多分自分です。」
「え?」
「酔った彼が因縁をつけt殴りかかってきたんで思わずみぞおちに·····」
その言葉に山村が少し呆れた表情になった。
「お人好しですねぇ···その酔っ払いをあなたも毛利さんたちと捜し回っていたんでしょ?」
「いえ、自分はここに停めてある毛利さんの車の中で仮眠を·····」
ガチャッ
京極がそう言った途端、山村が京極の手首に手錠をかけた。
「あなたを殺人犯として緊急逮捕します!」
「ええぇっ!?」
皆が驚く中、荷風は一人溜め息を吐く。
(此れは面倒になる·····)
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チェスのクイーン - 有り難うございます!更新頑張ります! (2022年2月5日 18時) (レス) id: 12c047e2ba (このIDを非表示/違反報告)
AYA - この作品めっちゃ面白いです! 更新頑張って下さい! (2022年2月5日 12時) (レス) @page3 id: 38ab2f94d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:チェスのクイーン | 作成日時:2022年2月4日 20時