永井荷風は高校生

十三話〜容疑者か京極真６〜 ページ14

荷風は電話を切り、急いで悲鳴が上がった方へ走る。
着いた場所は駐車場。
其処にはコナン、小五郎、蘭、園子、世良、門奈、正木そして絶命した丹波がおり、コナンと世良は遺体を調べていた。


「溺死？」


思わず呟く。

すると、荷風に気づいたコナンが


「正解だよ、荷風兄ちゃん。」


と険しい顔をして言った。
其の顔は小学一年生の顔ではない。


丹波は駐車場の中にある、丁度工事現場に置いてあるような電話形ボックス型のトイレの中にいた。
便器に座ったまま絶命している。
手に拘束された跡も無いようで、衣服がぐっしょり濡れていた。


(手足に拘束された跡も無く、衣服がぐっしょり濡れていると云う事は····)


「何?どこかで溺死された後、このトイレに運ばれただと!」


(まあ、そう考えるのが妥当だろうね···)


到着した警察の言葉に驚く小五郎。

どうやら殺されたのは一時間位前、つまり皆が此の人丹波を捜して色んなお店に向かった頃らしく、皆が此処へ戻ってくる前に遺体を此のトイレに置いた、と警察は考えているらしい。
が、


(そうとも限らないけどね。)


そう、もしかしたら此処で殺されたのかも知れない。

此の世界には『異能力』なんて云う反則技みたいなものが在るのだ。
人を溺死させる異能力だって在るかもしれない。


(こんな事、異能力を全然知らない人達には云わないけど。中二病扱いされるし。)


そんな事を荷風が考えていると、


「あのー、何かあったんですか?」


と後ろから声が聞こえた。


(此の声は·····)


振り向くと其処にいるのは、額に絆創膏を着けた色黒の男。


(京極真!?)



















容疑者は京極真
不自然な怪事件の行方とは·····?
二月九日更新予定!

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