永井荷風は高校生

一話 ページ2

「初めまして、永井荷風です。どうぞ宜しく。」


荷風の後にある黒板には『永井荷風』の文字。
好奇心に満ちた生徒達の目。
身に纏っている真新しい青いブレザーの制服。

典型的な転校生とその周りの図である。


荷風は上司に押しきられ、結局帝丹高校へ潜入することになってしまった。
しかし、荷風は正直乗り気じゃない。
出来ればさっさと対象と接触し、然り気無く探りをいれ上司に報告したかった。
そうなると、一番手っ取り早い方法は対象と親しい人物との接触だろう。

対象、つまり江戸川コナンと親しい人物は


「私の名前は毛利蘭。宜しくね、永井君。」


「私は鈴木園子。宜しく!」


「ボクは世良真純。宜しくな！」


毛利蘭
帝丹高校に通う高校二年生
父親は『眠りの小五郎』で知られる毛利小五郎
工藤新一とは幼馴染みでロンドンで告白された模様
黒髪のロングヘアで空手の都大会での優勝者


鈴木園子
帝丹高校に通う高校二年生
鈴木財閥の御令嬢で、姉が一人
工藤新一、毛利蘭とは幼馴染みで、京極真を彼氏に持つ
茶髪のボブで、髪留めで前髪を止めている。


世良真純
母がSIS、兄はFBIと棋士という特殊な一家の末っ子
女子高校生探偵を自称しており、推理力は中々のもの
江戸川コナンの正体を確信している模様
癖毛の短髪で、服装から男性に間違えられる事が多々


工藤新一とはともかく、江戸川コナンと親しい人物はこれくらいだろう。
先ずはこの三人と親しい友人くらいにならねば。

そう結論付けた荷風は簡単な世間話をして一緒に下校するまでに至った。


「そういえば、永井君は喫茶ポアロって知ってる?」


「いや、俺余り喫茶店とか行かないから。」


嘘である。
喫茶店に余り行かないのは本当だが、喫茶ポアロは知っている。
江戸川コナンの身辺調査で把握済みだ。


「じゃあ、一緒に行かない？そこの店員さん、とってもイケメンなのよ！」


「へえ〜」


それも荷風は把握済みだ。

荷風はJK三人連れられ、喫茶ポアロという所に行く事になったのだ。

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