夢小説だけど夢小説じゃない！？ (ページ2)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:250 hit

＊ページ2

とりあえずさっき店員さんに言われたことを思い出しながら誰もいない一番奥の席に座った。
そこは明るい店内には似つかわしくない静けさで、空間に一人取り残されたような感じがする。
どういうことだろうか。

「人が座っている前には座らない方がいいですよ」

店員さんが言った言葉が頭から離れない。
まあ確かに普通のファミレスは他人が座っている席には座らないが、店員さんの言葉には別の意味を含んでいる気がしてならない。

ひとり。ひとりぼっち。お腹が空いているせいもあって急に怖くなってきた。

「お待たせしました」

はっと顔を上げると店員さんが立っていた。料理を運んできてくれたみたいだ。

「パスタとトマトスープでございます。ご注文はこれで全てでしょうか。」

「はい」

「それではごゆっくり」

店員さんが去ると、また嫌な静けさがやってきた。
テーブルの上に置かれた料理を見つめる。見た目や匂いは安全そうだ。
私はおそるおそるパスタを口に入れた。

「おいしい…。」

15円という脅威的な安さから変な味がするとか変なものが入っているとかと考えていたけど、ぜんぜん普通だった。
むしろ、めちゃくちゃ美味しい。
トマトスープもあっさりとしてて美味しいし、さっきの嫌な雰囲気は気のせいだったのかなと考える。

もくもくと食べていると、物音がした。
私は物音がした方を見る。

「え…」

私の目の前の席に、さっき森で見かけた女の子が座ってきたのだ。

「人が座っている前には座らない方がいいですよ」

店員さんの言葉が頭の中で繰り返される。
でも、私は至って冷静だった。
やっぱり可愛い子だな、とかと思ったりしていた。

その女の子は、本当に綺麗だった。
金髪のロングヘアーで、蒼い眼。白ワンピがよく似合っている。

テーブルに頬杖をついてにっこり笑っている。

女の子と目が合った。

「ねえ。」

「____を探してほしいの」

よく聞き取れなかった。なんて言ったんだろう。

「そうしないと…

「死んじゃうよ？」

視界がぐらりと揺れた。