冨岡さん？？ ページ5
A「冨岡さん？
隊律違反をしているという自覚はありますか？」
冨岡さんは柱であるにも関わらず、
鬼を連れた少年を私達から逃したのだ。
……冨岡さん、正気なの？
冨岡「………」
胡蝶「…否定しないという事は本気なんですね。
まさか柱が鬼を庇うなんて…」
A「…冨岡さん。私達は貴方の時間稼ぎに
付き合うつもりはありませんので。…さようなら」
私と胡蝶さんは同時に大きく跳躍し木の枝を伝って
鬼を連れた少年を追う。
勿論、それを見逃す冨岡さんではなく、
冨岡さんは走って追いかけて来る。
胡蝶「冨岡さーん。
それで私達に追い付くつもりですか？
如月さんは柱随一の速さを持つお方ですし。
…私も足の速さには自信があります」
ニコリと余裕の笑みを浮かべる胡蝶さんを
冨岡さんは見つめて、大きく跳躍した。
胡蝶「えっ……」
冨岡さんは胡蝶さんを空中で捕まえた。
そして胡蝶さんを片手に担がれて私を追いかけて来る。
えっ？嘘でしょう？
胡蝶さんが怒ってますよ冨岡さん。
胡蝶さんに毒刺されますよ？
胡蝶「冨岡さん？下ろしてくださいね？」
ほら、胡蝶さんが額に青筋を立ててるじゃない。
冨岡「胡蝶。耳元で喋らないでくれ」
胡蝶「は？私だって貴方みたいに嫌われてる人に
担がれて不愉快なんですよ？」
あの二人、なんだかんだ言って仲良いんだよね。
追いかけて来る冨岡さんに背を向けて
眼下を見下ろすと。
A「あっ、いた。隊律違反者」
少年は鬼を抱えて走っている。
そして、私よりも低い位置にある木の枝を伝っていく
鬼殺隊士の姿もある。
あれは……胡蝶さんの継子・栗花落カナヲちゃんだ。
A「冨岡さーん。
もう隊律違反を犯すのもやめた方がいいと思いますよ。
胡蝶さんの継子もいますし、
あの少女の鬼が頸を斬られるのも時間の問題ですよ」
後ろを振り返ってそう話しかけると。
冨岡さんは更に速度を上げて私に迫って来た。
そこまでしてあの鬼を守りたいの？
守れるわけないのに。多勢に無勢すぎるよ。
無謀としか思えない。
「カー！！カー！！伝令！伝令！
竹ヲ噛ンダ少女の鬼・禰󠄀豆子！連レ帰ルべシ！
額ニ痣ノアル少年・竈門炭治郎ヲ拘束セヨ！！」
鎹鴉の大きな声に私達は動きを止めた。
……拘束？鬼を連れ帰る？裁判をするっていうの？
A「……冨岡さんは拘束するの？」
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作者名：燈子 | 作成日時：2023年3月12日 19時
