隊律違反 ページ4
どうして鬼を庇うんですか?冨岡さん?
私の刀を弾いて警戒したように私を見る冨岡さん。
……血鬼術にでもかかってるの?
いや。そんな気配はしない。
冨岡さんが庇っているのは気を失っている
竹を咥えた少女の鬼。
そしてその鬼を庇っている市松模様の羽織の少年。
A「冨岡さん。どういうつもりですか?
鬼とは仲良く出来ないって言ってたじゃないですか」
邪魔をされたせいで口調がキツくなる。
冨岡「………」
何も言葉を発さない冨岡さんに腹が立ち、
さらに言葉を重ねようとした時。
胡蝶「……っ!」
冨岡「………」
茂みの中から刀を構えて飛び出してきた
胡蝶さんの刀を冨岡さんが弾いた。
A「冨岡さん?隊律違反になりますよ?」
私は冨岡さんを睨みつけて言う。
胡蝶「如月さんの言う通りですよ。冨岡さん。
鬼とは仲良く出来ないって
言ってたくせに何なんでしょうか?」
僅かに怒りの籠った声で胡蝶さんは言った。
胡蝶「そんなんだから、皆に嫌われるんですよ?」
クスリと微笑んで毒を吐いた胡蝶さん。
……相変わらずの毒舌。
冨岡「……俺は、俺は嫌われてない」
その瞬間、その場の空気がピキーン!と固まった。
私も、胡蝶さんも、鬼を庇う少年も。
冨岡さんの発言に目が点になった。
胡蝶「まぁ。嫌われてる自覚がなかったんですね。
余計な事を言ってしまって申し訳ないです」
胡蝶さんはいつものペースに戻り、
心底申し訳なさそうに眉を下げた。
……本当に申し訳ないと思ってるのかな?
A「…ねぇ市松模様の少年。君が庇ってるのは鬼。
危ないから早くそこを退いたほうがいいよ」
私が少年に話しかけると彼は慌てふためいた。
?「違っ!違うんです!いや、違うくはないけど、
俺の妹なんです。それで、」
胡蝶「まぁ、そうなのですか。可哀想に……。
では、苦しまないよう…
優しい毒で殺してあげましょうね……?」
A「たとえ妹でも鬼になった者は斬る。
それが鬼殺隊というものだよ」
私と胡蝶さん、
そして冨岡さんはそれぞれの刀を構えた。
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作者名:燈子 | 作成日時:2023年3月12日 19時