任務 ページ2
胡蝶「あら如月さんもお館様に呼ばれたのですか？」
お館様の奥方様であるあまね様に案内された部屋で
待機していると、同僚の胡蝶さんが来た。
胡蝶さんは蟲柱。
彼女は毒を使って鬼を倒す才女。
密かに尊敬している。
A「ええ。どうやら任務のようですね」
胡蝶「……十二鬼月でしょうか？
柱が二人も要請される任務なので」
恐らくそうでしょうと胡蝶さんに返そうとしたその時。
スッと襖が開き、一人の男性が入ってきた。
胡蝶「おや冨岡さんではないですか。こんばんは」
ニコリと微笑む胡蝶さん。
冨岡「………」
そして無表情で部屋に入って来る冨岡さん。
冨岡さんは特徴的な羽織を羽織っている人。
半々で柄が違うのだ。
A「こんばんは冨岡さん」
私も冨岡さんに挨拶する。
でも…
冨岡「………」
冨岡さんは無口な人だ。
殆ど口を開かない寡黙な人。
胡蝶「何か返してくれてもいいのでは？冨岡さん」
冨岡「………」
胡蝶「まったく。
そんなんだから冨岡さんは嫌われるんですよ」
胡蝶さんはいつもの笑顔に青筋を立て毒を吐いた。
この人は本当に毒舌。
その毒は主に冨岡さんに吐かれるけど。
A「まあまあ胡蝶さん。落ち着いてください」
A「冨岡さんも今日の合同任務、
よろしくお願いしますね」
冨岡「……あぁ」
ボソリと相槌を打ってくれた冨岡さん。
……今日は喋ってくれる日かな？
お館様「よく来たね。義勇、しのぶ、A」
廊下側の襖が開くと同時にお館様が姿を見せた。
ゆったりとした落ち着いた声。
この方は私達、鬼殺隊員が崇めるお方。
お館様のお話はやはり十二鬼月のものだった。
那谷蜘蛛山という山に多くの隊士を送ったが、
どうやら全滅した可能性があるという。
お館様「義勇、しのぶ、A」
義勇、胡蝶、A「御意」
胡蝶「人も鬼も皆んな仲良くすればいいのに…。
冨岡さんも如月さんもそう思いません？」
A「鬼と仲良く出来る世界であれば
鬼殺隊は必要ないと思いますよ」
人も鬼も仲良くする…。
そんな都合のいい優しい世界はないでしょうね。
冨岡「無理な話だ。鬼が人を喰らう限りは」
冨岡さんも胡蝶さんの言葉を否定した。
A「さて。任務に向かいましょう」
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作者名：燈子 | 作成日時：2023年3月12日 19時
