青く、冷たい ページ46
***
「───出ろ」
処刑当日
嵐が吹き荒れる胡蝶しのぶの心情とは裏腹に、外は切り裂いたような青空が広がっていた
し「……」
世界が死を祝福しているかのように晴れた青空を見上げ、しのぶは自分を引きずる隠の二人を盗み見た
『しのぶ様、後は我々にお任せください』
『早くお休みになられてください、しのぶ様』
ついこの間まで私の名を呼び、困ったように笑い、私の体調を気づかってくれていたのに…その面影は今はもうない
あるのはー……
「!……チッ」
「……うぜぇ」
限りなく冷たい眼差しと胸を突き刺す尖った声だった
し「……一体…どこに行くのですか」
その問いかけに、隠の二人は答えない
し「処刑は…外で行われるのですか」
─────────沈黙
し「………(ああ、もう誰も…)」
いない
私にはもう、なんにもないのですね
ツゥー…と、しのぶの頬に涙が伝う
隠の二人はその涙に気づくことなく、ただ黙って、しのぶの身体に巻かれた鎖を引っ張り歩き続けた
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抹茶もち(プロフ) - ゼリーさん» 嬉しいです(*´・∀・`*) (2021年4月18日 18時) (レス) id: 4481fd6e11 (このIDを非表示/違反報告)
ゼリー - 続きがたのしみ (2021年4月18日 9時) (レス) id: 0e2fa8cd07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:抹茶もち | 作成日時:2020年9月5日 14時