悪女に花束を。２ (ページ31)

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隠された真実ページ31

体に力が入らない

息苦しくて呼吸が乱れる

それでも

し「…う、そ……うそ…っ嘘です！そんなの…わ、私のこと…庇ってくれたじゃないですか…屋敷を失ったときもっ…助けてくれた……！」

A「私は“親友に裏切られてもなお手を差しのべる健気な子”を演じなきゃいけなかったわけよ。分かる？おかげで私の人気はうなぎ登り！ふふっ…大変だったんだよ？笑い堪えるの」

云い知れぬ失望の色が、しのぶの表情を横切った

A「滑稽だったよ。私が血鬼術にかかってると思って助けようと奮闘してたしのぶの姿は」

し「…A……A、は…に、人間……です…人を操る能力なんて…そんなもの…！」

A「うん。人間だよ。えーと、異能っていうのかな？私がこの能力に気づいたのは五歳の頃。両親は私を守る為ずっと二人だけの秘密にしてたし、私も絶対、誰にも使ったら駄目だよって言い聞かせられて育ってきた。だから、この能力は死ぬまで使わないって決めてたから鬼殺隊に入っても異能持ちだってことはお館様に言わなかった」

───異能。人を操る能力

頭の中にかかっていた霧が晴れ

一切の真相が氷のように透きとおって目の前に立ち並ぶ…と、同時に真っ黒な恐怖が毛の先まで全身を包み込んだ

し「…その、話が本当だとして…ど、して私に使ったのですか……？」

訳が分からずしゃくりを上げながら聞くと、Aは怒りを含んだ声で憎々しげに言い放った