嗅覚、聴覚、触覚 ページ1
炭治郎side
───本当は、少しだけ疑っていたんだ
“ 蟲柱の胡蝶しのぶが
自身の親友である恋柱の継子に暴行を加えた ”
その話を聞いたとき、俺たちは耳を疑った
伊之助にいたっては、その話を持ち出した隊員を掴みあげ善逸が必死に止めていたが…
しのぶさんが親友を暴行した？
炭「ありえない」
心の声は言葉になって、二人の耳にしっかり届いていた
俺たちは急いで蝶屋敷に向かった
そこで会ったしのぶさんは目も当てられないほど憔悴しきっていて、俺たちは思わず詰め寄ってしまった
『何者かが私たちの仲を引き裂こうと罪を擦り付けた』
その話を聞いたとき、俺も善逸も伊之助も怒りに沸いた
親友を思い、悲しみにくれるしのぶさんの姿を目の当たりにして、俺たちは絶対にしのぶさんの無実を証明すると誓った
鬼殺隊に恨みを持つ者か、鬼の仕業か、もしかしたら…
口にはしなかったが俺たちの頭を過ったのが件の、しのぶさんの親友が怪しいというものだった
だって、よく考えてみろ？
蝶屋敷の主人として多くの隊士たちの命を救う存在にある人が、人に…ましてや自分の親友に暴力を振るうと思うか？
答えは否
きっと何か裏がある…そうでなければ、しのぶさんの悪評がここまで一気に広がるものか！
俺たちはほんの少しの疑いをもって、その“親友”がいる恋柱邸に乗り込んだ
＊＊＊
結果として、Aさんは本当に暴行を加えられた被害者だった
俺の鼻は覆いたくなるような悲しい匂いを嗅ぎとり
善逸は耳を塞ぎたくなるような苦しみの音を聴きとり
伊之助は肌を刺すような痛みの気配を感じとった
Aさんの感情は『絶望』で溢れていて
俺たちは疑っていたことを怒られる覚悟で正直に話し謝罪した
Aさんは誰も責めなかった
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抹茶もち(プロフ) - ゼリーさん» 嬉しいです(*´・∀・｀*) (2021年4月18日 18時) (
レス) id: 4481fd6e11 (このIDを非表示/違反報告)
ゼリー - 続きがたのしみ (2021年4月18日 9時) (レス) id: 0e2fa8cd07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：抹茶もち | 作成日時：2020年9月5日 14時
