悪女に花束を。

寛容 ページ37

「ただし」



お館様は庭に座るしのぶへ身体を向ける


「Aと二人きりで接触するのは禁止。任務以外の不必要な手紙のやり取りもね」


し「…御意」


「もし、次に同じような事があれば処罰は免れない。今回はAの寛容によるものだということを忘れないように」


まるでこの答えを暗記したもののように一息に言うと、お館様は童子に手を引かれ退室していった





＊＊＊





煉「Aとお館様に感謝するんだな」


胡「煉獄さ……！」


煉「俺たちは君のことを許すことは出来ない」


胡「っ…」


煉「理由はどうあれ君がAを暴行し、毒を射ち、大切な物を奪い、手当てもせずに逃亡した。その事実は変わらない」


至極冷静に言葉を紡ぐ煉獄からは怒りが見え隠れしていて、しのぶは肩を震わせる


宇「まったくだぜ。自分に毒を射った奴を庇うなんて…今回の件でその醜い心が少しでも綺麗になればいいなァ？蟲柱さんよ」


時「そんなの無理に決まってるでしょ。元からの性格だったんだから…すっかり騙されちゃった」


不「ま、てめェの悪評は止まることはねえし今回の事も今頃あの隠たちによって広められてるんじゃねえかァ？」


悲「南無…全て事実……逆恨みをしないことだ」


最後に睨みを利かせ煉獄たちは先に帰ったAの後を追いかけるように去っていき、後にはボロボロの姿で立ちすくむしのぶだけが、その場に取り残された

良し悪し→←もう一度だけ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す