悪女に花束を。

違う ページ31

カ「ーーあ！」



蝶屋敷の門前で炭治郎たちの帰りを待っていたカナヲは、遠目に三人の姿を確認し、玄関に向かって声を上げた


カ「師範…帰ってきました！」



ガタンッ



彼らの帰りを待ちわびていた胡蝶しのぶはカナヲの声を聞いて急いで玄関から飛び出し、その後に続いてアオイたちも顔を覗かせた


し「炭治郎くん…！どうでしたか、Aの様子は！？」


目の前で立ち止まった炭治郎たちに急いで詰め寄るが、三人の雰囲気がおかしいことにカナヲたちは首を傾げた


し「Aは…「しのぶさん」


しのぶの言葉を遮り、炭治郎はうつ向かせていた顔をあげた


し「………！？」


炭治郎も、善逸も、伊之助も、しのぶを見る表情はまるで敵を見るように歪んでいた


炭「どうして嘘をついたんですか」


し「嘘？」


善「あの時、俺たちに言いましたよね？Aさんに暴力を振るったのは別の誰かで、仲違いをさせるために罪を擦り付けられたと」


し「そうです。そうでなければ辻褄が合いません」


炭「じゃあ何でAさんの全身に残された殴打痕と刀傷がしのぶさんの拳と日輪刀と合致したことを話してくれなかったんですか？」


その話を聞いたカナヲたちは信じられないとばかりに目を見開いた


カ「し、師範…？」


ア「ど、どういうことなんですか！？」


善「俺たちも最初は信じられなかった。けど、これは他の柱の方たちが自ら調査して分かったこと…嘘はないよ」


し「ち、間違います…「何が違うんですか？」…っ」


炭「目の前で倒れるAさんの手当てをせず、そればかりか冨岡さんがAさんに贈った簪を無理やり奪って自分のものだと言ったんですよね？」


し「あ………っ…」


善「しかも、二人の仲を引き裂こうと水柱に嘘を言ったとか…水柱本人が教えてくれました」

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