狂愛【wrwrd】 (ページ1)

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愛故に【Tn】ページ1

※夢主さん、欠損してます。苦手な方は閲覧しないでくださいませ。

優しい小鳥の囀りで、私は目を覚ました。

昨日は疲れていたのか、いつベッドへ入ったのか、どのくらい眠ったのかわからずぼんやりしている。

『そろそろ起きないと』

そう虚空に放った所で気がつく。

『ここ、私の部屋じゃない』

自分の部屋ではないのだ。しかし見慣れた風景ではあった……そう、ここは愛しい彼の部屋なのだ。

昨日は一緒に帰って…それで……？

ダメだ、思い出せそうにない。
というか彼に直接聞けばいいのか。
彼氏でもあるのだから。

身体を起こし、ベッドから降りようとした……
が勢いよく床に転げ落ちた。

『…いたたた……え』

"私の左脚がない"

正確には、膝から下がない。
転げ落ちた音に気づいたのか彼が部屋に入ってきた。

「おう起きたんか…おはよ」

『ちょっと…これどういうことなの…わたし…』

「Aは本当になぁ……俺かおらんと何も出来ひんのやから」

床に座ったままの私を軽々と持ち上げた。

「よう眠れた？」

まるで会話が噛み合っていない。

『…トントン？…私に何があったの？何も覚えてないの…ねぇ…』

恐怖にも似た不安感が私を襲う。

「あー…可愛ええなぁ…今日もずっと一緒にいよなぁ」

そう言いながらリビングのソファーに私を座らせた。
深い紅色が私を捉える…数秒後彼は立ち上がった。

「そうや喉乾いたやろ？この前好きや言うてた紅茶買ったから飲もうな。淹れてくるわ。良い子で待ってるんやで」

そう言い残しキッチンへ向かう。

なんでどうして…そんな言葉が私の中で渦をまく。
その感情と言葉は想像以上の大きさで私から溢れ出る。

『ねぇ！待って！私はどうなったの!?!?無視しないで!!』

ほとんど叫び声に近い声量で彼にぶつけていた。
彼の足がピタリ、と止まる。

振り返ったかと思うと私の目の前に来て目線を合わせるようにしゃがみ込み、私の手を握った。

「あんな、大声出したらあかんやろ？近所迷惑やで良い子やから静かにしとき」

いつも通りの優しい声。でも

『トントン、なんか変だよ？なんで私と話してくれないの？』