人生万事塞翁が虎 其ノ伍 ページ7
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「おい、香...好い加減起きろ」
ぶっきらぼうな声と、布団を剥がされた寒さに目が覚める。
先程の声の主は、中原中也。
「中也、来てたの...仕事に行った筈でしょ?」
寝起き特有の、重い体を起こして、目の前の彼に問うた。
「元々此処は俺の家だろうが...!ハァ...
首領の命令で手前を呼びに来たんだよ。」
――可笑しい。今日は非番だと聞いていた。
唖然となる私に、彼は「緊急だとよ」と心を読むかのように言った。
「えぇ〜面倒くさい!せっかくの非番なのに!」
「我儘言うんじゃねぇよ!仕方ねぇだろうが。」
結局最後は、彼の「今度云う事聞いてやるから」の一言に負けた。
そんなこんなで、現在進行形で出勤中。
正直云って、本当に面倒くさい。
首領直々って事は、また重要任務でしょう?
はぁ、本当に嫌な仕事。
だって、詰まらないんですもの。並の男は単純で。
私の異能なしでも簡単に情報を吐くなんて。
嫌々ながらにも歩いていると、ふと声が聞こえた。
一つは聞きなれた男の声、もう一つは怒鳴る男性の声。
「唐変木......理想......」
此処からでは、よく聞こえないけど...。
どうやら居るのは、探偵社みたい。
そして...よく判らないけど、一人の青年?
誰なのかしら、あの子。可愛い顔してるけど。
まぁ、ポートマフィアで首領専属の諜報員やってるくらいですから。
隠密は得意中の大得意。
なーんか面白そうな予感がするじゃない?
此れは、重要任務よりもよっぽど楽しそうよ。
「ふふ、首領には遅れますって連絡しておこう。」
だって、どうせ許してくれるでしょう?
私に辞められたら困るの、知ってるんだから。
隠れながら、そっと彼等の会話に耳を傾けた。
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ナタデココ(プロフ) - 弓月さん» ありがと (2018年6月30日 23時) (レス) id: 67a39a2c5a (このIDを非表示/違反報告)
弓月(プロフ) - あ。続編くっつけたの (2018年6月30日 23時) (レス) id: 32509f2cb7 (このIDを非表示/違反報告)
ナタデココ(プロフ) - 弓月さん» wwwwwww (2018年6月30日 23時) (レス) id: 67a39a2c5a (このIDを非表示/違反報告)
弓月(プロフ) - ナタデココさん» ありがとつ。この恩は3分後まで忘れない← (2018年6月30日 23時) (レス) id: 32509f2cb7 (このIDを非表示/違反報告)
ナタデココ(プロフ) - 弓月さん» いいぜ← (2018年6月30日 23時) (レス) id: 67a39a2c5a (このIDを非表示/違反報告)
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