運命論者の悲み 其ノ漆 ページ47
私が立ち去ろうとすると名探偵が声をかけてきた
「待って」
「なんだい?」
振り向くと少し倒れそうになった。
名探偵が支えてくれる。
「何時間その足で過ごしてた?」
名探偵の言葉に静かに答える
「朝からずっと」
銀狼は目を見開いた
「そんな状況で社長と戦って互角か…」
名探偵は悔しいようななんとも言えない表情をした。
「…その傷で帰るの?途中で野垂れ死にするのがオチだと思うけど」
そして驚くことを口にした
「なんなら今日からやりなよ!仮入社!」
「え」
流石名探偵。自由だ。
「それなら君の異能も抑えらるでしょ?いつも外には出ない程度の狂いまで抑えてるけどその分体への負担があるでしょ?」
…真逆、そこまで見抜かれていたとは。
名探偵の言う通り、私の異能は常時発動している。
'目を合わせた相手を狂わせる'。狂いの度合いは私が操作出来る。
だけどいつも低すぎる狂いの度合いにしてたらまだ完全に私の異能を管理しきれていない私からしたら体に負担がかかるのだ。
そのせいで深昏睡状態にまで陥ったことすらある。
「社長の元にいたら社長の異能で抑えられるんだしさ!そうと決まったら早速行こう!与謝野さんに治療もしてもらえる!」
腕を引っ張る名探偵を銀狼が止める。
「そんないきなりでは無理だろう…」
「いや、与謝野さんと森鴎外なら与謝野さんに治療してもらった方が黎霞はいいんだよ。森鴎外から陵辱を受けていたようだしね。黎霞なら与謝野さんの解体にも耐えられるだろうしね」
探偵社の女医、異能の条件により瀕死にしないと治せない。
故に、彼女は治療の際患者を解体する。
それで叫ばなかったのは本人曰く私が初めてだとか。
「黎霞からしたら陵辱を受けない治療が初めてだったんでしょ?」
「まぁね。ところで…今から?探偵社に?」
名探偵に聞くと勿論!といい笑顔で言ってきた。
「…首領が何もしてこなければいいのだけれど…」
…あ。確か樋口が探偵社に黒蜥蜴を襲撃に向かわせるとか…
まぁ、黒蜥蜴如き探偵社なら返り討ちにできるだろう。
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ナタデココ(プロフ) - 弓月さん» ありがと (2018年6月30日 23時) (レス) id: 67a39a2c5a (このIDを非表示/違反報告)
弓月(プロフ) - あ。続編くっつけたの (2018年6月30日 23時) (レス) id: 32509f2cb7 (このIDを非表示/違反報告)
ナタデココ(プロフ) - 弓月さん» wwwwwww (2018年6月30日 23時) (レス) id: 67a39a2c5a (このIDを非表示/違反報告)
弓月(プロフ) - ナタデココさん» ありがとつ。この恩は3分後まで忘れない← (2018年6月30日 23時) (レス) id: 32509f2cb7 (このIDを非表示/違反報告)
ナタデココ(プロフ) - 弓月さん» いいぜ← (2018年6月30日 23時) (レス) id: 67a39a2c5a (このIDを非表示/違反報告)
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