【募集企画小説】ヨコハマのイレギュラー達【文スト】 (ページ21)

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或る爆弾其ノ壱ページ21

どうするつもりだろう。

「首領、明日、私も人虎確保について行ってもよろしいですか？」

「何故だね？」

「気になるからです。彼が、彼等が、人虎が、太宰が、どうなっているのか」

「…太宰くんと人虎にはもう会っただろう？」

矢張り、バレているか。

治に会ったことは言っていないというのに

「…首領、何故人虎如きに遊撃隊を使うのですか？上級構成員辺りで良いのでは？」

これは本心であって本心でない。

人虎如きに遊撃隊を使うのは勿体ないと思ってはいるが上級構成員如きでは失敗する。

要は私は…

「君は人虎確保が失敗してほしいのだね？」

「えぇ、そうです」

どうせ隠しててもバレるだろうから言っておく

「人虎の中に微かですが彼に似ている部分がありました。治は彼の遺言と人虎の彼に似ている部部を初対面時から見出し、仲間に引き入れる計画を立てていました。そんな人虎を組合に売れば…」

「太宰くんが狂う、とでも？」

「いえ、治に限ってそんなことはないでしょう。だだ、今度こそ貴方の首を狩りに来るでしょう」

このままでは…人虎が組合に渡ってしまう

「…まぁ、それはさておき、芥川と樋口の任務に同行してもよろしいですか？」

「何故だい？その足で？」

「…左足なら力が入ります。片足だけでも、行きます」

'おぉ、怖いねぇ。'そんなことを言いながら首領は笑っている。

「誰が仕組んでこうなったのかねぇ」

「!!」

心の底からの怒りと憎しみが湧いてくる。

私が今こうなっているのも、彼が死んだのも、全て…

「……貴方が…仕向けたんじゃありませんか…」

出た声は思った以上にか細くて、震えていた

「私が今車椅子に乗っているのはあなたが私の右足の腱を切ったから、医者の知識を使い、右足は完全に動かないようにしたから。彼が死んだのは貴方が治や私達に自身が貴方が先代にしたように殺されるのを恐れたから…！」

一呼吸起き、言う。

「貴方は私達を追い出すために彼を殺した!!!!貴方が直接手を加えたわけでなかろうと彼を殺したのは貴方だ！それなのに私を追い出したのに私を連れ戻し、治を今も尚勧誘(スカウト)している！貴方にとって私達は都合のいい捨て駒に過ぎない！」

自分でも驚くほどの大声が出た

それでもあの不気味な笑みを浮かべている首領を睨む

「…芥川達にはついて行きます」

早口でそう伝えると芥川達の元へ向かった