阿吽の呼吸は途切れない 其の拾参 ページ6
「__忙しいトコ。御免ね?」
「別に。今日はオフだし、華の頼みだからね」
………端から見れば、美少女二人が会話をしているところだろう。
しかし、場所は薄暗い建物裏。
茶髪の少女、霧雨華。
水色の髪で猫っ毛。ミント色のメッシュの入っている少女、斎恩志悠祈。
そう。正しく___破魔の二人である。
破魔とは、二年前のマフィアで作られたコンビの名前である。
斎恩志悠祈に関しては現在はアイドルとして動いていることもあり、
マフィアの中でも信じきれていない者も居るが、実力はそこそこである。
「で、今日悠祈にしてもらいたいこと………」
「大丈夫。理解してるよ」
「そう。なら良かった」
一体彼女等は何を話しているのか………
「………というか、華に聞きたいことがあるンだけど」
「何?」
「此の件は引き受けるって云った後にこンなこと聞くのはどうかと思うンだけどさ」
「うん」
「華は、拐われた三人を救おうとする其の三人の相棒達をサポートする為に私を呼ンだンだろうけどさ。………この行動って、私達に利益あるの?」
一瞬、華は迷った。
確かに、この行動に利益等はない。
助けたところで無駄だとは理解している。
其処まで拐われた人とは親しくない。
「無いよ」
キッパリと云った。
悠祈も私も、合理主義なのは同じ。
けど………
「仲間を救う以外に、利益なんか要らない。それは悠祈も判ってる事でしょ?」
微笑んだ。
その華を見て、悠祈はなにか察した。
「……ま、ね。私なンてすぐ抜けて、あまり覚えられてないかもしれないけど」
華に微笑み返す。
「其れこそきみだよ。華」
「でしょ?変わらない方が良いんだよ。人ってね」
.
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クシナデソーマ(プロフ) - 更新終わったでおじゃる (2018年12月31日 12時) (レス) id: cf04d087dd (このIDを非表示/違反報告)
クシナデソーマ(プロフ) - 更新するでおじゃる (2018年12月31日 12時) (レス) id: cf04d087dd (このIDを非表示/違反報告)
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