【募集企画小説】ヨコハマのイレギュラー達3 (ページ23)

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阿吽之呼吸は途切れない其ノ参拾ページ23

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「…………黎霞。」

ふと、徳田が三ツ扇の名を呼んだ。

「…なんだい？徳田くん。」

「冥零が、…冥零がお前を恨んでいる本当の理由を知っているか……？…組織を潰したからじゃない、別の…本当の理由を…。」

幸田が、微かに哂(ワラ)った。
冥零が冥闇を、特に三ツ扇を恨む理由は組織を潰したからではなかった。
もっとちゃんと、三ツ扇個人を恨む明確な理由があるのだ。

「知ってるよ。知りたくもなかったけどね。

____________裏切り者だからだろう？
私が、旧冥零の裏切り者だから(・・・・・・・・・・・)。
そりゃあ、まぁ、恨むだろうね。
組織を裏切った上に、組織を潰してるんだから。
それに、組織の首領が実の父親だって云うのに。」

笑顔でかなり衝撃なことを云い放つ三ツ扇に徳田が溜息を吐いた。
三ツ扇と徳田は互いが6歳と8歳の頃から共にいる、幼馴染やそこら辺りの関係に近い関係にあるが、三ツ扇の重大なことをわりと(いや、かなり)軽く云うところは昔から変わらないらしい。

ちなみにだが、太宰は三ツ扇から聞いていたのかさほど驚いていなかった。
白月に至っては何故かはわからないがそこまで驚いていない。
しかし、幸田は驚いていた。

このメンバーで知らなかったのは幸田だけだったらしい。

「と云うより、裏切り者って云うんなら貴方も変わらないでしょう。ねぇ？幸田露伴さん。」

流石に幸田のことは知らないのか、徳田と太宰が少し興味深いような、驚いたような表情で幸田をみた。
幸田は心做しか、愉快そうな笑みを浮かべている。

「否…こういった方がいいですか？

ポートマフィアの前幹部総長さん。」

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