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阿吽之呼吸は途切れない 其ノ弐拾弐 ページ15

「おだ……さく…」
微かに漏れ出た声に太宰と徳田が微かに反応した。
「……三ツ扇様。……黎霞、起きろ。」
いつもより数トーン低い声で徳田が云う。
黎霞が起きてから徳田を見て、微かに微笑んだ。
「……異能力『偽善者』」
黎霞が異能を発動すると、黎霞の周りが青白い、月明かりのような優しい光に包まれた。
光が止むと、黎霞の体にあった傷が全て消えていた。
最初から、傷なんてなかったかのように。
その光景に、その場にいた全員(勿論黎霞除く)が目を見開いた。
「な……んで…」
徳田がそう言うと、黎霞はニコッ、と効果音が着きそうなぐらいに笑った。
そして、無表情になって言った。
「……幹部総長をなめるなよ。徳田。」
いつもの少し高い声とは遥かに違う、ドスの効いた声。それに、莫大な殺気。
もしもこの場に一般人がいたなら死んでいただろう。
「なぁんでね。嘘だよ。」
いつもの高い声で、ニコッ、と効果音がつきそうな笑顔を浮かべて笑う。
「……と、ところで……どうしてわざと捕まったんですか?」
「よく分かったね。わざと捕まったって。」
「荷風さんが言っていたので……。"三ツ扇黎霞が気絶させる寸前にこっちを見て笑った"って。それに、あの時荷風さんの手は三ツ扇様の首に当たってませんでした。」
黎霞がつまらなそうに「ふぅん」とだけ言った。
それから前髪をかきあげ、深く息を吸って吐いた。
「お前に会うためだよ。」
先程までのドスの効いた声、と迄とはいかずともいつもより低いトーンで黎霞かいった。
「僕に……?」
「そうだ。……にしても、バレてたか……。笑ったのも、自分から気絶したのも。私もまだまだだなぁ。お前ら如きにバレるなんて。」
微かに挑発的な笑みを湛えていう黎霞に、「これだから嫌いだ……」と、幸田がいった。
「冥零如きが私達(ポートマフィア)に勝てると思うなよ。」
そう言って嗤う黎霞は幹部総長たる威厳や、絶対者が持つ特有の風格で満ちていた。

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クシナデソーマ(プロフ) - 更新終わったでおじゃる (2018年12月31日 12時) (レス) id: cf04d087dd (このIDを非表示/違反報告)
クシナデソーマ(プロフ) - 更新するでおじゃる (2018年12月31日 12時) (レス) id: cf04d087dd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ナタデココ x他4人 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2018年8月10日 16時

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