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阿吽の呼吸は途切れない 其ノ弐拾 ページ13

BAR・Lupinにて……
白銀の髪をしたロングヘアの少女がBARのマスターらしき老人と喋っていた。
「ねぇ、開さん。私のこと、覚えてらっしゃる?」
老人の名は開 幾夫。本名を、カイトゥス・カエレスエィス。
夢月、否、ヴァイスローゼ=ディミオス・フランドールの育て親のような存在。
そして、BAR・Lupinのマスターだ。
「……ローゼ?」
開が珍しく目を見開いて驚く。
それを見て夢月は愉快そうに笑った。
「覚えてるようで結構。重畳ですわ。」
今の、最近の夢月しか知らない者は夢月のその口調を見れば酷く驚くだろう。
どちらかと云うと、男っぽくガサツで、男口調と関西弁の混じった口調を使う、そんな夢月が優雅にお嬢様口調を使うだなんて、いったい誰が想像出来ただろうか。
否、夢月の師匠である辻瀬加菜や、或いは現相棒である黒神鏡夜等なら想像出来たかもしれないが。
「ねぇ、マスター。アルコールが入ってないものはあるのかしら?」
優しく微笑み乍ら云う夢月に微音な息を吐きつつも開が口を開いた。
「あるぞ。」
と、客に使うような丁寧な口調ではなく、過去に夢月や律にだけ使っていた素の男の口調だ。
開がその口調をしたことを素直に喜び、嬉しそうに、無邪気に笑う夢月の頭を撫でながら開が夢月の前にりんごジュースを差し出す。
「有難う。」
そう云ってりんごジュースを1口、口に含む。
その行動にはいつもの庶民的ガサツさは一切なく、寧ろ、貴族のような優雅さしかないようだった。
「ねぇ、おじいさま、おじいさま。私はね、お願いしに来たのよ。」
途端、黒く、そして妖しい笑みを浮かべて夢月が云った。
「貴方の能力を解いて。そして、私を殺して?」
目を見開く開を見て、また、嘲嗤(わら)う夢月だった。

阿吽の呼吸は途切れない 其ノ弐拾壱→←阿吽之呼吸は途切れない 其ノ玖



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クシナデソーマ(プロフ) - 更新終わったでおじゃる (2018年12月31日 12時) (レス) id: cf04d087dd (このIDを非表示/違反報告)
クシナデソーマ(プロフ) - 更新するでおじゃる (2018年12月31日 12時) (レス) id: cf04d087dd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ナタデココ x他4人 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2018年8月10日 16時

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