【文スト】Stray Love5

中原中也(3) ページ45

Aside

おかしい
今日の私はおかしい
なんでこんなに動揺してるの？

『意味わかんないな…』

中「なにが？」

『いや…私変だな〜って』

中「あっそ」

『興味なくすの早いな〜』

中「そんなもんだろ」

なんで中也が彼女にしようかな
って言うので動揺したの？

なんで嘘だって聞いて安心したの？

なんで…
彼女になれって言われて嬉しかったの？

『まさか…んなわけないか』

中「マジでおかしくなったか？
独り言ばっかり気持ち悪いぞ〜」

『うっさいなぁ黙ってて』

中「Aのほうがうるさいから」

なにシュンとしてんのよ…
気が狂うでしょうが…

『ねぇ好きってどんな感じ？』

中「は？
そりゃあドキドキしたりするんじゃねーの？」

ドキドキね…

『ほかは？』

中「例えば…他のやつにとられるのが
嫌だったりするんじゃね？」

『ふーん…』

…あれ？てことはやっぱり？
中也のこと…好き？
あーダメだ
自覚したら止まんない

『ちゅーや』

中「なに」

『やっぱりさっきの嘘』

中「は？」

『好きって言う嘘が嘘だった』

中「…は？」

『私中也のこと好き、恋愛的に』

中「…恋愛的に？」

『うん、困る？』

中「困るかも」

『ごめん』

中「困るって言っても…
自覚したから困ったんだよ」

『どう言うこと？』

中「俺も好きだわ、付き合え」

『相変わらずの命令口調…まぁ付き合うけど』

中「当たり前だ」

その夜は初めて手を繋いで帰った


今までとは違った雰囲気が二人を包んでいた

〈終〉

映画館:芥川龍之介<中木寸>→←中原中也(2)

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す