＊ ページ7
──今、なんて？
うまく解せず、たった今言われた言葉を胸中で反芻する。
�牋貪擔兇辰秦蠎蠅砲匹Δ靴討修海泙罵イ靴�するんですか��
�狎議松�し……ほんの少しだけ、迷惑、です��
俺はそれに弁解も謝罪もできず、俯くことしかできないでいる。
「こんな時間まで、ありがとうございました」
無言のままの俺に困ったように小さくため息を吐き、彼女──Aさんは、震える声でそう言い残して午後10時のオフィスを出て行った。
残業を、手伝っていた。定時間際に渡されていた分厚いファイルがあまりに気の毒だったので、いつものように声をかけた。彼女もそれを受け入れた。でもそれがあなたにとっては。
そこまで考えて、己の過ちに気が付く。
俺のやっていることは不誠実極まりないじゃないか。これでは彼女の気持ちを弄んでいるも同然だ。
それに彼女の言うことはもっともだ。俺は何故、一度は自分で断った糸を再び必死で手繰り寄せている。向こうから来ているならまだしも、自分からわざわざ干渉する理由は無いだろうに。
そもそも仕事をしていればミスは誰だってするし、その度に全員を助けに行っていたんじゃキリがない。
じゃあ、Aさん一人だけを助けたいと思う理由は？
彼女に言われた言葉が気道を塞いでいる。この形容しがたい無力感は、心に傷がついた時特有のもの。穴が空いてしまった胸から、ぽろぽろと幸福成分が零れていくような。
──そうか。俺は彼女を繋ぎ止めていたかったのか。今更、彼女からの好意が欲しいと思ってしまったのか。
その答えはパズルの最後の1ピースのようにぴったりと嵌ってしまって、自分で導き出しておきながらひどく嫌になった。後悔先に立たず。そんなことわざが脳裏を掠める。こういう時に限って、俺の斜め下で泣きそうになりながら作り笑いをしたあの日の彼女の顔がフラッシュバックする。
漫画の主人公だったら、今ここでオフィスを飛び出して彼女を追いかけるのだろう。しかしそんな勇気が俺にあるはずがない。
仕方ない。あの場で断った時から、俺の運命はこうなると決まっていたんだ。これでいいんだ。自分勝手な振る舞いをして一人の人間に迷惑をかけた罰が当たったと思えば、納得はできないこともない。
作業を終えた画面を上書き保存して、最悪の気分のまま帰り支度を始めた。
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静寂(しじま)(プロフ) - エミさん» 返信遅くなりすみません…！ありがとうございます！最近忙しいのとネタ切れで更新できてませんが更新は続けますので気長にお待ち頂けると嬉しいです！ (2022年4月13日 0時) (
レス) id: 8344300b59 (このIDを非表示/違反報告)
エミ(プロフ) - 静寂様の書かれるお話が凄く好きです…これからも更新楽しみにしています〜！☺ (2022年4月2日 0時) (レス) id: a0e3c6c9d5 (このIDを非表示/違反報告)
静寂(しじま)(プロフ) - 咲世さん» コメントありがとうございますー！楽しんで頂ければ幸いです！🙇♀️ (2022年2月13日 17時) (レス) id: 8344300b59 (このIDを非表示/違反報告)
咲世(プロフ) - バレンタインの更新楽しみにしてます！ (2022年2月13日 9時) (レス) @page19 id: d952fb547f (このIDを非表示/違反報告)
静寂(しじま)(プロフ) - 千寿さん» まさに表現したかったことが伝わったようで良かったです〜！次回ありましたらぜひまたよろしくお願い致します！ (2022年1月29日 18時) (レス) id: 8344300b59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：静寂(しじま) | 作成日時：2022年1月21日 0時
