【ナ】醒めない恋で彩って【短編集】

今は世界に二人だけ/8 ページ39

8の話、長くなりがち
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　どういう流れだったか。確か、部長が打ち上げをしようと言い始めて、誰かがたまには誰かの家でやろうと言い始めて……そうだ、一人暮らしで気軽に人を呼べるのが私しか居なかったんだっけ。

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　私が身を置くこのサークルは、小規模だけれどみんなとても優しくて、先輩後輩関係なく仲の良い、居心地の良い場所だ。
　もちろん以前から活動自体にも興味はあったのだが、それは半分建前で。本音としては、いつも授業で見かけて気になっていた中島くんという男の子ともっと親しくなりたくて、追いかける形で入部したのだった。とはいえ今となっては純粋にここが大好きで、毎日充実している。残念ながら、中島くんへの片想いも継続中である。

＊

「そういえば部長、その大荷物何なんですか？」
「あ、俺も気になってた」
「お、そろそろやっちゃう？」

　タコパが終わり、ソースに塗れた空の皿とお酒の空き缶が並ぶ中、私は部屋に招き入れた時からずっと気になっていたことを聞いてみた。部長はよくぞ聞いてくれたとばかりに部屋の隅まで自分の荷物へ向かって行くと、見せつけるように中身を取り出す。

「じゃーん！ バドミントンセットです」

　出てきたのはバドミントンのラケット。それも数セットある。これには私を含めやはり全員が驚いたようで、口々に思ったことを口にし出した。

「すご！ しかも何個かあるじゃん」
「わざわざ買ったんですか！？」
「そうだぞ。今日だけのために」
「部長って金持ちだったんですね」
「中島。金じゃなく愛と呼びなさい」
「ああ、はい……」

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