重ねた秘密/3 ページ31
大学の先輩3
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周囲に秘密で付き合い始めた私たち。理由は私にとって初めての彼氏で、なんとなく恥ずかしかったから。
でもそのせいで知り合いのたくさんいる学校では一緒に行動できないし、かといって外でイチャつくわけにもいかないしで、付き合いたてなのにも関わらず何も出来ないことに私はフラストレーションを感じていた。
＊
次の授業の場所を確認しながらエレベーターを目指す。すると視界の先で誰かが乗り込んだのに気が付いて、閉まりかける扉に慌てて駆け込んだ。閉まるギリギリで開く扉。『開ける』のボタンを押して待っていてくれた親切な人に軽く会釈した。
「駆け込み乗車は危ないですよ」
突然聞こえてきたそんな声に弾かれたように顔を上げれば、フードを被って微笑んでいる�猗爿瓩�いた。
「しゅ、しゅーさん……！」
「リアルでは久しぶりじゃない？ LINEはしてるけどさ」
本当に。久しぶりだ。最後にデートしたのは数週間前じゃなかったっけ。
「嬉しいです……まさか会えるとは……」
「あはは、ね。ほんと偶然だわ」
扉が閉まり、微かに機械音を立ててエレベーターは動き出す。密室で二人きりの状況に、この時間が永遠に続けばいいと思った。
突如訪れた機会に何を話すべきかとテンパってしまい、彼も何故だか黙っているせいで室内には沈黙が流れる。高鳴る胸と空気に耐え兼ねてポケットからスマホを取り出そうとした手がしゅうさんに優しく掬われた。
「しゅうさ、」
ふとかち合う視線。次の瞬間寄せられた唇を拒む暇もなく、音も立てずにそれは触れ合う。
ポーン。四階です。
夢の終わりを告げる残酷な機械音声に抗うように、握られた右手をきゅっと握り返した。
「ごめんね、つい」
そんな風に笑う彼に私は熱くなった顔をふるふると横に振ることしかできなくて。
じゃ俺ここだから、またね。そう言った彼が四階で止まったエレベーターを出ていくのを見送った後、自分の行き先ボタンを押していないことにようやく気が付いた。
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静寂(しじま)(プロフ) - エミさん» 返信遅くなりすみません…！ありがとうございます！最近忙しいのとネタ切れで更新できてませんが更新は続けますので気長にお待ち頂けると嬉しいです！ (2022年4月13日 0時) (
レス) id: 8344300b59 (このIDを非表示/違反報告)
エミ(プロフ) - 静寂様の書かれるお話が凄く好きです…これからも更新楽しみにしています〜！☺ (2022年4月2日 0時) (レス) id: a0e3c6c9d5 (このIDを非表示/違反報告)
静寂(しじま)(プロフ) - 咲世さん» コメントありがとうございますー！楽しんで頂ければ幸いです！🙇♀️ (2022年2月13日 17時) (レス) id: 8344300b59 (このIDを非表示/違反報告)
咲世(プロフ) - バレンタインの更新楽しみにしてます！ (2022年2月13日 9時) (レス) @page19 id: d952fb547f (このIDを非表示/違反報告)
静寂(しじま)(プロフ) - 千寿さん» まさに表現したかったことが伝わったようで良かったです〜！次回ありましたらぜひまたよろしくお願い致します！ (2022年1月29日 18時) (レス) id: 8344300b59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：静寂(しじま) | 作成日時：2022年1月21日 0時
