◆賭け事はほどほどに/3 ページ16
個人生意識(難しい)。
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玄関のドアを開けた途端、さっきまでの熱気が嘘みたいに冷えた空気が体を包む。
「ただいまー！」
「はー暑かった暑かった」
両手にビニール袋を提げた家主の代わりに、空手の私が鍵をかけた。
「ちょっと買いすぎたかな」
「いやーまあ、食べるでしょ」
「じゃあ食べきれなかった分はしゅーさん持ちで」
「えぇ？」
あはは、と笑って私は奥へと進む。
今日は幼なじみのしゅーさんの家で一日中ゲームをすることになっている。一足先に社会人になってしまった彼とはなかなか予定が合わなくて大変だったけど、ついにお互い夏休みが来たためこの祭りの開催が可能になった。
とその前に、私たちは籠城に備えて二人でコンビニに行ってきたのだった。パンパンの袋の中身はお菓子やおつまみ、それからアイス。あれも食べたいこれも食べたいとカゴに入れまくっていたらこんな量になってしまった。太りそーと言いながら私のお腹を見てきた時は思いっきり足を踏んづけてやったけど。
．
「何からやる？」
「いろいろあるけどねー。あ、これとかいいんじゃない？」
そう言ってしゅーさんが取り出したのは格ゲー。確かに二人でゲームといえばみたいな所はあるけれど。
「それ、勝てるからでしょ」
「バレた？」
へらへら笑いながらもちゃっかりゲームは起動する。ここで反論したって、「えーでも楽しいでしょ？」と言われてしまって私が口を噤むのが常だ。
「ぜーったいしゅーさん勝つじゃーん……あ、ねえ賭けしよ」
「賭け？ いいけど、何賭けんの？」
「雪見だいふく買ってきたじゃん。勝った方が5個食べる」
奇数を二人で分ける時の運命。負けず嫌いの私たちははんぶんこなんてしないから、4つずつ分けて残った1個を食べる権利は毎回じゃんけんで決めていた。
「俺はいいけど、勝てない勝負で賭けってちょっとなんか、アホっぽいな」
「アホって言うな！ だからこそしゅーさんが負けたら面白いの」
「うわぁ、性格わるぅー」
しゅーさんはわざとらしくススス……と距離を取る。私はお構い無しに隣でイカの燻製を開けて、つまみながらコントローラーを手に取った。
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静寂(しじま)(プロフ) - エミさん» 返信遅くなりすみません…！ありがとうございます！最近忙しいのとネタ切れで更新できてませんが更新は続けますので気長にお待ち頂けると嬉しいです！ (2022年4月13日 0時) (
レス) id: 8344300b59 (このIDを非表示/違反報告)
エミ(プロフ) - 静寂様の書かれるお話が凄く好きです…これからも更新楽しみにしています〜！☺ (2022年4月2日 0時) (レス) id: a0e3c6c9d5 (このIDを非表示/違反報告)
静寂(しじま)(プロフ) - 咲世さん» コメントありがとうございますー！楽しんで頂ければ幸いです！🙇♀️ (2022年2月13日 17時) (レス) id: 8344300b59 (このIDを非表示/違反報告)
咲世(プロフ) - バレンタインの更新楽しみにしてます！ (2022年2月13日 9時) (レス) @page19 id: d952fb547f (このIDを非表示/違反報告)
静寂(しじま)(プロフ) - 千寿さん» まさに表現したかったことが伝わったようで良かったです〜！次回ありましたらぜひまたよろしくお願い致します！ (2022年1月29日 18時) (レス) id: 8344300b59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：静寂(しじま) | 作成日時：2022年1月21日 0時
