【まふまふ】独り占め。Season2【歌い手】 (ページ7)

今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:20,496 hit

独占欲 45 ページ7

「わ、Aの部屋意外と綺麗」とズカズカと部屋に入りながら軽くdisる奏とは真逆で、本当に入っていいのか分からないと曖昧な表情を見せて、開いた扉から見える私の部屋をマジマジと、まるで新しいものを見るように、廊下から見える限り見渡す翔太。

「…、ふぁ！、ちょっと！」

そんな翔太の背中を両手でトンっと押して、部屋を仕切る扉の奥に突っ込むと、情けない声を出しながらつまづきそうになっている。そんな様子を奏と2人でけたけたと少し馬鹿にする笑を交えながら笑う

「お前らなぁー！」

『翔太がいつまでも廊下に突っ立ってるからじゃん！』

「天月君乙女みたい」

「うるせえ！」

いつもの様に小学生並の言い合いで始まった夏休み最初のイベントお泊まり会。イベントという程ではないと思うけど…。

「あ、そうだお菓子持ってきたんだった」

『えっ、なら私ジュース持ってくる！！』

ガサゴソと持ってきた少し大きめなリュックを探る奏。大してお泊まりする訳では無いのにめちゃくちゃパンパンに入ってるなぁって思ってたらまさかのお菓子がほとんどだった。

まあ、それはそれで宴感が出て楽しくなるから。

2人を置いてジュースとコップを持って帰ってくると何やら私がいない間に話が盛り上がったのか、いつの間にか私が抱き枕にしているぬいぐるみを翔太が乙女のように抱き抱えて騒いでいた。

『楽しそうだねえ』

「奏君が変な事言うから」

「えー？僕知らないよ」

「ちょ、逃げんな」

そんなこんなで最初は緊張しい顔をしていた翔太も奏がいてくれたおかげか、いつも通りの元気ハツラツな笑顔を見せて睡魔が来るまで夜通し喋り通した夏休み一日目。