【まふまふ】独り占め。Season2【歌い手】 (ページ4)

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独占欲 42 ページ4

店員さんに席案内をされそうになっている所をギリギリで引き止めて、一番端の席に連れていく。

「え、僕が最後だった感じ？」

「いや、俺さっき来たところ。んで、Aはめっちゃ早く来てたらしい」

翔太に続いて奏も肩にかけていたリュックをソファ席に下ろして席につく。広々としたソファ席に私が1人と、目の前に2人仲良く座り込んでいる。

なんにも面白くないはずなのに、なんとも言えない笑いがこみ上げて来て『仲いいね』なんて2人をおちょくるように笑うと、合わせた訳じゃないのに否定する声がぴったりと重なって、それにも思わず笑みが零れる。

こんな何気ない日常で、こんな何気ない会話で、こんなにも笑えるのなら私は幸せなのかもしれない。そう頭の片隅にひっそりと置いておいた。

『はぁー、疲れた』

「いや、勝手に笑い転げてたのそっちだから」

『あ、なんか食べる？私先に少し食べちゃったけど』

「おい、無視かよ」

私の言葉に丁寧にツッコミを入れる翔太に対して、それを隣でくくくっと笑う奏にメニュー表を取り出して広げる。ファミレスならではの品から、在り来りな品までいろんな料理の写真がバンと大きく載せられていてそのどれもが美味しそう

「じゃあ僕はこれー」

「なら俺これ」

『じゃあ私は…』

「さっきパフェ食べてたじゃん」

『いいじゃん！美味しそうなんだから！』

「もう、天月君意地悪しないの」

『そうだよ！』

「わーかったから、はい、頼むよ」

小学生じみた会話を一通り繰り広げると、ピンポンと専用のボタンをおした翔太が、何気なく外を見ると一瞬にして固まった表情にどうしたんだろ。と、翔太が見ている方向に私も頭をまわそうとした時

「Aー、写真撮ろー？」

いつものゆるゆるとした奏の声に反応すると、ニコッと笑った。