標的131 主の遊戯 ページ32
「貴様っ‼主が食事の際に奇襲とは、なんたる無礼な‼」
「お前こそ何故その人間にペコペコ頭を下げる‼恥ずかしくないのか‼」
「何ぃ⁉主を侮辱するのか⁈圧し斬るぞ‼」
「まあまあ長谷部さん、そんなに怒らなくても‥‥
膳を運ぶ手伝いに来た大和守が宥めるも全く耳に入っていないのか、二振は揉める一方。
かなり言い争っているが、刀を出さない長谷部に、刀を振るうほど彼が愚かで無いのはわかっているから問題無いだろ。
庭で長谷部と大包平が暴れている中、緑茶を飲んでいると平安組の刀達が入って来た。彼等の様子を見て石切丸は苦笑いする。
「主、またアレをやっているのかい?」
『ああ』
アレ‥‥特に呼び方は決めていないが、山姥切の時から私はコレを
ルールは簡単、この本丸内と学校の屋上で私を殺せば勝ち。私以外のものに危害を加える、又は私を殺せなかったら負け。そして他の刀剣男士達はこの遊戯をしている期間、援護はお互い無し。
現在私は飼育委員長兼風紀委員長補佐の仕事で学校に留まる時間が多い‥‥恭弥からある程度の話はつけてあるから問題なく遊戯を実行できる。
まあ‥‥放課後恭弥と一戦交わらなければいけないが‥‥。
「期限は?」
自分の席に座り込んだ山姥切は、少し眠たそうな顔をしていた。多分今日は堀川に起こしてもらったな。
『本人の意向で1週間の夜明けまでだ』
長谷部達を見ると宗三と燭台切が止めに入り長谷部は大人しく自分の席に戻っていったが、大包平は縁側で座ったままだった。
『ほら、大包平‥‥もう皆んな揃っているんだ。お前の分の朝餉もある。そんな所で座っていないで、皆んなで食べよう』
「くっ!人間の食べ物なんぞ、俺は食わんっ‼」
大包平は自身の刀を持ち立ち去った。しばらく大広間に沈黙が続くとスッと手を上げる者がいた。
「主、大包平の世話係、俺に任してくれないか?」
『鶯丸‥‥ああ、いいぞ。積もる話もあるだろう』
鶯丸と大包平は造った人物は違えど同じ古備前派、鶯丸にとって大包平は弟みたいな存在なんだろう。
「礼を言う」
『さ、皆んな食べようか』
大包平を抜いて、私達は朝餉を食べた。
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作者名:☆にゃんロック☆ | 作成日時:2019年3月14日 22時