標的118 俺達の意志 ページ14
9代目がこんな仕打ちを受けたと言うのに、チェルベッロのあの冷静すぎる態度、明らかにおかしい‥‥まるでこの事態が起こることをわかっているみたいだ。
突然、凄まじい殺気で肌がピリピリと感じた。
「好きにしやがれ、俺はもうキレてんだ」
「‼」
リボーンの殺気に流石のチェルベッロも背筋が凍る程怯えていた。
「だが9代目との誓いは守って手はださねーぞ‥‥‥‥生徒の勝負にはな。俺がそう言っても戦いが嫌いな俺の生徒がどーするのかは知らねーけどな‥‥」
ツナくんは無言で立ち上がる、頬から涙が滴ることは無かった。代わりに、
「XANXUS、そのリングは‥‥返してもらう‥‥お前に9代目の跡は継がせない‼」
揺らぎのない戦う覚悟の目をしていた。
‥‥今なら聞けるかもしれない。
『‥‥この場を借りて聞こう。ツナくん‥‥私は殺し屋だ、何百人もの屍を歩いてきた化け物だ‥‥それでも私を月の守護者として受け入れるか？』
突然の問いにツナくんは一瞬目を見開いたが、力強く頷いた。
「‥‥はい‼勿論です‼」
それが聞けて安心した。
『そうか‥‥これからよろしく‥‥“ツナ”』
私はポケットにしまっていた月のリングを取り出し、右手の中指にはめた。
背後から殺気を感じた。振り向けばXANXUSが殺気を放っていた、リボーンとは比べ物にならないがその殺気から怒りを感じる。
「テメエ‥‥自分が何言ってんのかわかってるのか？」
XANXUSの鋭い目に臆すことなく睨み返す。
「ボンゴレの歴史に刻んでやる、XANXUSに楯突いた愚かなチビと憐れな女の二人がいたとな」
「二人じゃないぜ！」
「10代目の意志は」
「俺達の意志だ‼」
「個人的に」
獄寺、クローム、了平、山本、そして恭弥も戦闘体勢に入る。私も大倶利伽羅を刀に戻し、身構える。
ヴァリアーも武器を取り戦おうとしたその時、チェルベッロが私達の間に入った。
「お待ち下さい！」
「9代目の弔い合戦は」
「我々が仕切ります」
‥‥よくもまあこんな状況で言えるな。
確かにチェルベッロは9代目の勅命を受けている為、ボンゴレリングの行方を見届ける義務がある。彼女達の認証なくしては私達の持つリングの移動は認められない。
だがその死炎印は無理矢理押させたと思うがな、その証拠にXANXUSが不敵に笑っていた。
「我々は勝利者が次期ボンゴレボスとなるこの戦いを‥‥大空のリング戦と位置づけます」
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作者名：☆にゃんロック☆ | 作成日時：2019年3月14日 22時
