標的116 仕組まれた罠 ページ8
9代目が地面に頭から打ちそうになったのを近くにいた山姥切がすかさず受け止める。
恭弥を安全な場所に移した後、私も9代目の元まで走る。
リボーンは救急箱を持って走ってくる間に私と山姥切は9代目の拘束具を外し、安静な体勢にする。
9代目に駆け寄ったリボーンはゴーラ・モスカの構造を見て動力源が9代目の死ぬ気の炎を使ったことを説明した。
「ど‥‥どうなってんだ‥‥？‥‥え？なんで‥‥モスカ‥‥から⁉」
その中でも一番顔色が悪かったのはツナくんだ。額に灯る炎が消えるほど彼は今混乱している。
『リボーン、治せそうか？』
ある程度の怪我は治せても、重症を負った人を治す技術を今の私には持っていない。薬研がいないこの状況で、リボーンだけが頼りだった。
リボーンは数秒傷の容態を見た。
「やべーな、応急処置でなんとかなる傷じゃねぇ‥‥」
Aは持って来た鞄から５センチほどの瓶を取り出してリボーンに投げた。瓶には何も貼っておらず透明な液体が入っているだけだった。
『即効性の鎮痛剤だ、止血の作用もある。昨日うちの医療に詳しい奴が作ったものだ、全部使ってくれても構わない』
「サンキュな、A。有り難く使わせて貰うぞ」
リボーンは注射器で薬を9代目に投与する。
「ど‥‥どーして⁉」
「どーしてじゃねーだろ！」
「⁉」
声の主の方へ顔を上げるとXANXUSは怒りの目でツナくんを睨む。
「お‥‥俺が‥‥？」
ツナはふと自身の真っ白なグローブを見ると、両手先に血が滲んでいた。するとさらに追い討ちをかけるように9代目の口から血がポタポタも溢れてきた。
「誰だ？じじぃを容赦なくぶん殴ったのは」
「！ハアッハアッハアッ」
XANXUSの言葉と共にツナの呼吸が荒れる。
“仲間を守る為に9代目を傷つけた”
“大切なものを守る為の力なのに、人を殺めてしまったのか?”
「誰だぁ？モスカごとじじぃを真っ二つに焼き切ったのはよぉ」
XANXUSが最後にトドメの一言を話そうとしたその時、後ろから声が聞こえた。優しそうな老人の声‥‥なんと9代目はまだ意識が残っていた。
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作者名：☆にゃんロック☆ | 作成日時：2019年3月14日 22時
