藤原夫妻の娘3 (ページ23)

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122話ページ23

『うるさい･･･10年くらい前に書いたから仕方ないでしょ･･･今ならもっとちゃんとかけるし･･･そもそも！これは、父さんの話を聞きながら書いたんだよ！』
夏目「悪かったよ」

私の言い訳に目に涙をうかべ笑う貴志に私は恥ずかしさで顔を赤くした

夏目「それにしても一体なぜ家の前に･･･」
『貴志のせいだろうと私のせいだろうと、猫のせいだろうと･･･ゴタゴタは持ち込みたくないな･･･話を聞いたのが昔過ぎてこの絵くらいしか思い出せないのが悔やまれる』

2人で絵を眺めながら唸ってると入口から猫が入ってきた

先生「ただいまー何をブツブツ言ってるんだお前ら」
夏目「ニャンコ先生今帰りか」
『そだ、猫、門のところにこんな感じの落書きがなかったか？』
先生「む？そんなもの無かったぞ」

私と貴志は顔を見合せ猫を連れて門のところに向かった

夏目「本当だ消えてる」
先生「妖の描く絵は大抵落書きだが、たまに印があるな」
「『印？』」
先生「例えば仲間に何かを知らせるだとか･･･例えば「来ましたよ」のサインだとか」

来ましたよ、か━━━

翌朝部屋にいると母さんの叫び声が聞こえた

『どうしたの母さん！』
夏目「どうしました塔子さん」
塔子「あっ、貴志くん、花佳ちゃん大声出しちゃったけど大したことじゃないのごめんなさい。ホラ、花壇の花がスポスポ抜かれちゃってて･･･野犬でも迷い込んで来たのかしら」

花壇の近くにしゃがみこみ被害状況を確認した

『酷いな』
夏目「踏み荒らされている」

少し眺めてると、小さな足跡を見つけた貴志は、猫を疑った

夏目「お前かニャンコ先生！ニャンコ先生な足跡だぞ！お花を荒らすなんて」
先生「阿呆！私はお花を華麗に避けとるだろよく見ろ！」
『そうだぞ貴志。それに足跡ならもう1つある』

私はもう1つある“指が1本多い足”を指さした