藤原夫妻の娘

34話 夏目貴志side ページ35

夏目貴志side

妖怪祓い騒動が解決した

名取さんは撮影を終え今日帰ってしまうらしい

あの妖怪は「柊」という名前を貰い、名取さんに仕える妖の仲間に入ったようだ

名取「全く･･･君のような無茶なのは助手に出来ないな」
夏目「そうですか。それは残念だ」
名取「かわいくないなぁ」

少し嫌味を含めて笑顔と言葉で言えばそう返ってきた

名取さんはきっとおれなんかより、ずっと妖が見えることで苦しい日々を送ってきたのだろう

這い回る痣に神経もすり減らされたのだろう

けれどやはり

夏目「甘いと言われようと、あなたのやり方には賛同できません」

名取さんと少し話をしたあと、名取さんが

名取「夏目、花佳のことを頼んだよ」

そういった

夏目「そう言えば、花佳さんも見えるんですか？」
名取「それは、本人に聞けばいいさ。ただ、夏目には花佳を信じてあげて欲しいんだ」

そういった名取さんは寂しそうな顔をしていた

名取「あの子はとてもいい子だから」
夏目「名取さんもしかして･･･」
名取「ん？夏目が何を思ってるかは分からないけれど、多分違うよ」
夏目「なんだ、花佳さんのことが好きなわけじゃないのか」

イジれるかも、と思ったけど

名取「あの子は妹みたいな感じだよ」

本心なのか嘘なのか分からない顔をされた

花佳さんに妖怪が見えるかどうか聞けるだろうか

先生「聞けばいいだろうが」
夏目「簡単に聞ければ、苦労はしないよ」

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