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1年生レース 山岳リザルト ページ39

少しペースを上げて走っていると、前に有が見えた。
そして、何故か一緒にいる銅橋

「…有。なんで銅橋と一緒にいるの…?」

「利害の一致だよ〜利害の一致!」

「あっそう。落ちないように気をつけて」

「うぇ〜い」

二人を引き山の中腹あたりまで登る
そろそろ、クライマー達が飛び出す頃合…
登っていく子達の実力を見て、飛び出すタイミングを計算するか…。


「有、足は溜まった?」

「大分ね、これなら問題なく登れる。」

「なら、置いてく時は合図するから。」

さて、ここまでで私たちを抜いていった1年は10人程、それなりの実力ってところか。

今行けば単独トップも狙える…
それなら、もう少しこいつらを引いて、有の足を休ませた方がゴールは取りやすい…か。

「あと1キロ引いたら出る」

「余裕だね〜」

「山神と同等のレベルを1年生に求めるのは、あまりにも酷でしょ?」

「…そうだね。」

銅橋は着いてくるので精一杯なペースだ。
でも、大分回復はしている。
有は問題ない。

「じゃあ、行ってくるね〜」

「てら〜」

山を登っていて寂しいと思ったのはいつ以来だろう…
最近は忘れていた。
尽八が居たから…
勝てなくて勝てなくて、歴然と出る男女の差に悲しくなって、悔しくて、忘れていた。
山頂に近付くのと同時に沸き起こる、この孤独感を。

男子と勝負するに当たって女子と男子の筋力差はあまりにもハンデ過ぎる。
だから、本当ならケイデンスを上げられるギアを下げる方がいいことは知ってる。
だけど、私は選んだ。ギアを上げる事を。
それが不自然な加速を生む。
それが、真波山岳の走り。私の走り。

「羽…?」

最後のひとりを抜いた時に聞こえた

向こうの世界でも、私はクライマーだった。
山が好きだった。こっちの過去と理由は違えど、鳥になって自由に羽ばたきたかった
だから、ギアを上げた
その後ペダルの存在を知って真波を好きになって、本気で嬉しかった。
会えることのない彼との共通点を、私は運命とまで感じた。

でも、私にはギア10段はあまりに重すぎるから私なりの走り方に少しアレンジしてある。

匂う。山頂の匂い。風の囁き

ギアを一つ下げる。風に背中を押してもらう
真波とも違った私だけの走り!

「山岳リザルトトップ 巫 A。…独走だな、A」

「尽八…」

「久しぶりの最初の山頂はどうだ?」

「ちょっと、寂しいかな…」

私はそう言って笑ってみせた

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設定タグ:弱虫ペダル , 箱根学園 , 真波山岳   
作品ジャンル:アニメ
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よしはる(プロフ) - アイカさん» ありがとうございます!楽しみにしていて下さる方がいらっしゃると分かりとても有難い気持ちになると共にこれからも更新を頑張ろうと思えます。更新頑張りますので、これからもどうぞ宜しくお願いします! (2017年9月13日 23時) (レス) id: 102fc0cc39 (このIDを非表示/違反報告)
アイカ - いつも楽しみに読まさしてもらっています。これからも頑張って下さい。 (2017年9月12日 17時) (レス) id: aaa91fe88c (このIDを非表示/違反報告)
よしはる(プロフ) - 夜実さん» ありがとうございます!これからも面白いと思っていただけるように頑張って行きたいと思います! (2017年3月25日 1時) (レス) id: 598fa7bcac (このIDを非表示/違反報告)
夜実 - 面白いですね!これからも頑張ってください! (2017年3月23日 22時) (レス) id: 180bd39056 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:よしはる | 作成日時:2016年9月25日 6時

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