１年生レース 開幕 ページ36
有side.
｢死ぬほど嫌なんだけど…｣
本気で嫌そうな顔をするA
こいつが、こんな顔をする原因は、あのアホ毛だ。
そう、あのアホ毛はあろう事か合宿に遅刻しているのだ。
しかも、連絡もない。
そこで、Aが電話を掛けてみる事になったのだが
｢なんで、私が真波に電話しないといけないの？それもレース前に。レース前に私の心臓口から飛び出るよ？なんで集中したい時に、好きな人に電話すんの？馬鹿なの？｣
この調子で電話を掛けたくないようで…
｢なら、私が掛けようか〜？｣
｢……それはそれで嫌だからかける。｣
はぁん！？コイツクソめんどくせぇ！！
なんて思いつつも私も大して差はないので黙っておく。
｢あ、もしもし？真波山岳君？｣
本当にコイツ外面被ってる時は死ぬほど冷静だな
｢今どこにおるんかな？｣
あ、京言葉出てるぞ。冷静な振りして内心慌てふためいてんのね〜
とか、Aの癖を見つけてニヤニヤが止まらない
｢ほぅ。私、ちゃんとレースするよって説明したよね？ね？｣
｢まぁ、いいや。事故らんようにゆっくりおいで。｣
そう言って電話を切るA
｢いいの〜？大事な可能性切り捨てんの？｣
｢まさか。真波が来たら私がもう1回走るよ｣
私も理解している。
今回のインターハイの要は真波だ。
それなのに、その真波をここで切り捨てるのは些か不本意なんだよね。
｢でも、条件は厳しくなるね｣
｢それは遅刻する真波が悪い。｣
｢それもそうだわ。｣
私達は愛車を押してスタートラインへと向かう。
｢あれ？今年のスタート合図係靖友なの？｣
｢アァ…。福ちゃんはゴールラインに、東堂は山頂に新開がファーストリザルトに行ってんヨ｣
｢まぁ、他のメンツはノルマこなすので精一杯か。｣
｢そういうこったナ。｣
ノルマ決めをしたAがそう言うのだから、今年も相当鬼メニューなんだろうな。と想像して選手に合掌したくなる。
それなのにみんなが文句を言ってこないのは、Aの凄さとその練習メニューを考える大変さを知っているからだろう。
正直、誰よりも選手の成長を願っているのは他の誰でもないAだ。
選手達本人よりも選手の成長を願い導いている。
｢さて、そろそろ五分経つけど、準備はいいかヨ｣
｢オッケかな〜｣
｢大丈夫。｣
私とAが一息吐く。
2人で目を合わせ軽く拳を合わせる。
｢スタートｫ｣
靖友の間抜けな声と旗を振る音でペダルを踏む
さぁて、追撃と行こうか
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 183人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
よしはる(プロフ) - アイカさん» ありがとうございます！楽しみにしていて下さる方がいらっしゃると分かりとても有難い気持ちになると共にこれからも更新を頑張ろうと思えます。更新頑張りますので、これからもどうぞ宜しくお願いします！ (2017年9月13日 23時) (
レス) id: 102fc0cc39 (このIDを非表示/違反報告)
アイカ - いつも楽しみに読まさしてもらっています。これからも頑張って下さい。 (2017年9月12日 17時) (レス) id: aaa91fe88c (このIDを非表示/違反報告)
よしはる(プロフ) - 夜実さん» ありがとうございます！これからも面白いと思っていただけるように頑張って行きたいと思います！ (2017年3月25日 1時) (レス) id: 598fa7bcac (このIDを非表示/違反報告)
夜実 - 面白いですね！これからも頑張ってください！ (2017年3月23日 22時) (レス) id: 180bd39056 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：よしはる | 作成日時：2016年9月25日 6時
