箱学天才マネの短編集

焼き餅？ヤキモチ 番外編 ページ36

東堂 尽八side.

Aは意外とヤキモチ妬きだ。
本人もそれを自覚していて、そして、それを表に出すことは絶対にない。
やはり、家が家だからという事か、それとも、A本人の性格かは分からんが、基本的に人に笑顔以外を向けない。自分の内面をさらけ出さない奴だ。
弱みなんて尚更見せはしない。
そんな奴が正直に真波に｢嫉妬するから他の子と話さないで｣なんて言うわけがない。
真波を第一に考えているからこそ、もっと言えないだろう。
アイツは、自分のことで真波の世界を狭めるようなことはしない。

少しは素直になってもいいと思うが…本人がそれを嫌がるのだからどうしようもない。

最近は、Aに山に誘われることが多くなった。
理由はそういう話をしたいから。
練習をしながら、話もできる。時間の有効活用だ
1年の頃からクライマーと言う共通点があり、一緒にいる時間が長い俺達は、それこそ、なんでも相談する。
俺がAに相談することも勿論ある。

何より、そういう話を聞いて、面白がっている俺がいる。
その話自体が面白いどうこうではなく。
単純にAの変化が嬉しいのだ。
自分のことのように。
嫉妬をする自分にムカつきながらも、真波の話をするAは楽しそうで、見ていて面白いのだ。

そして、俺は今日も。
わざと口を滑らせる

｢そう言えばなぁ！真波よ。この間、Aがお前が女子と話してるのを見て不機嫌だったぞ？｣

｢え？本当ですか！？東堂さん！｣

｢はっ…これは、言ってはいけないやつだったな。忘れろ真波！俺が怒られてしまう！｣

｢教えてくださいよ〜！東堂さん！｣

｢俺が言ったということは内緒にするのだぞ！？｣

可愛い後輩と大切な仲間がこれからもずっと、上手くいくことを祈りながら

End.

自主規制入ります 1【下品ネタ】→←焼き餅？ヤキモチ 2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す