箱学天才マネの短編集

ゲーマーカップルの喧嘩 1 ページ32

東堂 尽八side.

真波とAが付き合って暫くたった頃。
部室でちょっとした喧嘩をしたことがある
ただ、その内容はあまりにも幼稚で、俺には到底理解できないものだった。


｢A、そういやシャ〇バ始めたんだって？？｣

有が思い出したようにAにそう聞いたことがきっかけだった。

｢え？先輩、シャ〇バやってるんですか〜？｣

真波がゲームをするということが意外だった俺達は、なんとなくその会話に耳を傾けた

｢うん。やるよ〜｣

｢俺もやってるんですよ〜！今度対戦しましょ！｣

なんだか、ほのぼのしていていいな。と思っていたのだけれど、きっかけというものは本当に些細な一言だった。

｢Aは、エルフめっちゃ強いよね｣

｢うん。でも、個人的にはビジョップが最強だと思ってるから｣

｢え？何言ってるんですか〜？最強はドラゴンに決まってるじゃないですか〜！｣

｢いやいやいやいや。真波君こそ何言ってるの？最強はビジョップだから｣

2人ともニコニコしているが纏っている空気が余りにも禍々しい。

｢おい、荒北。止めぬか！お前なら止められるだろう！｣

｢ムリ｣

｢何故だ！！｣

｢あぁなったAを止めんのは至難の技ってやつなんダヨ…｣

本気で面倒くさそうな顔をする荒北にあの喧嘩を止められないことを悟った。
俺と荒北がこんな会話をしている間も、2人はビジョップが最強だ！とかドラゴンが最強だ！と言い争っている。

普段2人ともほのぼのしているし、あまり喧嘩をするようなタイプでもないから新鮮と言えば新鮮だが…
部室の空気が悪くなるので、本気でやめて欲しいものだ。

｢なら、勝負しましょうよ｣

｢望むところよ。｣

そして、結局勝負で決着を付けることにしたようだが…
これがまさか、もっとややこしいことになるとは思ってもいなかった…

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