待つということ2 ページ7
「あの…」
チャレンジ動画の撮影のために局の廊下で対面した際、挨拶よりも前にディノに話しかけたのは年長者のサクラだった。
曰く、30分程前に事前収録を終えてから御手洗に行ったままAが戻ってきていないという。
収録直後だったためスマホも持っておらず、今マネージャーが探しに行っていると。
ディノはその話を聞いた時にキョトンと目を丸めたあと苦笑した。
「俺が探してきますよ」
「え、でも」
「大丈夫です。俺、A探しのプロなんで」
「ヒョンたち先に撮影しといて〜」と言いながらディノはその場を後にする。
その十分後、プロという言葉のとおりしっかりとAの右手を捉えて連れ帰ってきたのだった。
そして何故か、とんでもない量の視線にAは晒されていた。
きっかけはディノの一言。
「一緒に踊ろ」
兄妹で一緒にチャレンジを撮ろうという意味だと周りのほとんどが捉えていたが、言われた当人だけはその言葉の意味をしっかりと理解して返答する。
「一曲全部?一番だけ?」
「あー、俺のパートやって欲しいから全部かなぁ」
「待て待て待て待て」
不穏な会話を聞きつけたホシが二人の会話に割って入る。
「お前ら今からHOTまるまる一曲踊るつもりなの!?」と声が裏がえった。
「いけるよ。ね?」
「いける とは」
「あ、でもここでやると流石に邪魔になるから、俺たちの楽屋の隣の空き部屋借りようか」
「やる前提で話進めるのやば」
さすがにディエイトもドン引きである。
周りの静止も聞かずディノは楽屋隣の空き部屋にさっさと移動し、本気で踊る気満々で屈伸をし始めた。
AもAで表情こそ普段と変わりないが踊る気満々で足首を解している。
「えー…女の子が丸々一曲踊るの…大丈夫かな…」
「Aー!メイク直しの時間あんまりないから適度にってマネージャーさんが!!」
「わかった」
「ルセラの皆さん理解力ありすぎでしょ。あとカメラ準備完璧なの凄いんだけど」
隣の部屋の騒ぎが伝わり、楽屋から続々とSEVENTEENのメンバーも見学に集まり出す。
「うわぁ実物」
「目元がチャニに似てるね」
「俺より背が高い…」
準備が出来たらしい兄妹がスマホを構えたスタッフにOKサインを出す。
「い、いきまーす」と戸惑う声ののち「３、２、１」とカウントされ、ギターをかき鳴らす音が室内の空気を揺らした。
この動画がその後とんでもない再生数を叩き出してしまい、新曲が出る度にフルで踊るイ兄妹の動画が公開されていくことになる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1135人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
N S(プロフ) - :)さん» 更新が滞っており申し訳ないです。好きと言っていただけて嬉しいです。応援頂きありがとうございます🙏🏻 (1月26日 7時) (
レス) id: 2a191afe61 (このIDを非表示/違反報告)
N S(プロフ) - :)さん» コメントありがとうございます。ご連絡頂きました作品は当方が執筆したものではございません。また「NS」のアカウント以外で(外部プラットフォームや、SNS含む)執筆活動を行ったこともございません。 (1月26日 7時) (レス) id: 2a191afe61 (このIDを非表示/違反報告)
:)(プロフ) - https://uranai.nosv.org/u.php/novel/lrf__svt__0513/?fp=3 こちらになります、初めてのコメントで長々と失礼致しました。N S様の作品がとても好きです、いつも応援しています。 (1月25日 2時) (レス) @page2 id: 618e80dc3b (このIDを非表示/違反報告)
:)(プロフ) - コメント失礼致します。LE SSERAFIMの天使(チョンサ)という作品があるのですが作者様の作品でしょうか？あまりにも内容が酷似しているためコメントさせていただきました。ご確認のほどよろしくお願いいたします。 (1月25日 1時) (レス) id: 618e80dc3b (このIDを非表示/違反報告)
N S(プロフ) - つーじさん» コメントありがとうございます。ゆっくりと書いて参りますのでお付き合いいただければ幸いです。 (9月13日 2時) (レス) id: 2a191afe61 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：N S | 作成日時：2023年9月11日 23時
