歩き出す時2 ページ17
そのすぐ後に彼女が入る予定のグループのコンセプトを聞いて、納得してしまった。
ー私は恐れない
先日のあの表情。
あれは、怖がっていたんだ。
迷子になって母親が迎えに来てくれたあの日。あの時彼女はチャニだけを待っていた。
待っていたら絶対に兄が迎えに来てくれる。
だけどあの日迎えに来たのは母親だった。
その時に、必ず兄が来てくれる保証などないのだと、幼いながらに分かってしまったのだろう。
そして今、見えないところに行ってしまった兄の元までひとりで歩いていくことに、どうしようもなく恐怖して。
『お兄ちゃんが、迷ったらそこから動くなって。』
兄との約束を破ってしまっていいのか、決められないでいたのだ。
きっと声を上げて呼んでみれば、チャニは喜んで自分の元まで来てくれるだろうに。
隣に座るあの時よりもほんの少し垢抜けた少女の横顔を、横目で見る。
目線はあの日のように下ではなく、夕焼けの美しい空に向かっていた。
「もう」
「怖くないみたいだね」
独り言のように尋ねると、いつかのように彼女はまたしっかりと僕の声を拾い上げた。目線をこちらに向け少し考えるように地面へ、そしてまた空へ向ける。
「そうですね」
「強引に手を引っ張ってもらうのも、案外悪くないです」
あのメンバーたちは確かに、歩き出すのを待つと言うよりは駆け寄ってきて、ぐいぐいと手を引っ張ってくれそうだ。
想像して思わず笑ってしまった。
「いいグループだね」
「…騒がしいですけど」
「それはうちも一緒」
甲高い声が彼女を呼んでいる。振り返ると、恐らく彼女が言う騒がしい筆頭であろう、どことなくドギョミを彷彿とさせるような子がこっちへ小走りでやってきていた。
その少し後ろから、見慣れたうちのマンネも歩いて来ているのが見える。
「お迎えだ、お互い」
二人で椅子から立ち上がる。
「ジョシュア先輩」
「一緒に待っていてくれてありがとうございました」
彼女はそれだけ言うとぺこりと頭を下げて、ユンジンさんの元へ行ってしまう。
今のことだろうか。
それとも何年も前のあの日、一緒にベンチに座った日のことか。
もう聞き返せないほど彼女は先に行ってしまった。
「……歩き方も似てるかもなぁ」
「シュアヒョン……いくらシュアヒョンでもAはあげませんからね」
「ほんといい雰囲気ぶち壊す才能あるよね」
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N S(プロフ) - :)さん» 更新が滞っており申し訳ないです。好きと言っていただけて嬉しいです。応援頂きありがとうございます🙏🏻 (1月26日 7時) (
レス) id: 2a191afe61 (このIDを非表示/違反報告)
N S(プロフ) - :)さん» コメントありがとうございます。ご連絡頂きました作品は当方が執筆したものではございません。また「NS」のアカウント以外で(外部プラットフォームや、SNS含む)執筆活動を行ったこともございません。 (1月26日 7時) (レス) id: 2a191afe61 (このIDを非表示/違反報告)
:)(プロフ) - https://uranai.nosv.org/u.php/novel/lrf__svt__0513/?fp=3 こちらになります、初めてのコメントで長々と失礼致しました。N S様の作品がとても好きです、いつも応援しています。 (1月25日 2時) (レス) @page2 id: 618e80dc3b (このIDを非表示/違反報告)
:)(プロフ) - コメント失礼致します。LE SSERAFIMの天使(チョンサ)という作品があるのですが作者様の作品でしょうか？あまりにも内容が酷似しているためコメントさせていただきました。ご確認のほどよろしくお願いいたします。 (1月25日 1時) (レス) id: 618e80dc3b (このIDを非表示/違反報告)
N S(プロフ) - つーじさん» コメントありがとうございます。ゆっくりと書いて参りますのでお付き合いいただければ幸いです。 (9月13日 2時) (レス) id: 2a191afe61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：N S | 作成日時：2023年9月11日 23時
