63：我ら�牴�頷蛇�� ページ18
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ダクト内部を這い蹲ること凡そ数分､一番初めの訓練対象が残念ながら
発見した瞬間に俺に振り向き､顔を輝かせながらも片手でサインを作っているそのさまは､新しいモノに逐一瞳を煌めかせ燥ぐ､純粋無垢な少年そのものに見えなくもなかった｡
ちなみにサインの内容としては､俺が行ってくるわ！……との事｡
挙句､その当の本人は俺の返事も聞かずに降りて行ってしまっていた｡この間僅か三秒｡……あぁ､頭が痛い｡
Zm｢……
？｢ｯｸﾞ……俺､かよｫ……ｯ｣
そんな会話が聞こえ､通風口から下の様子を何とか覗き見る｡
男が凄い体勢になっている所を除き､書棚が部屋の隅から隅まで置かれていた｡どうやら､俺達は書庫に辿り着いたようだ｡
……ということは､だ｡
体勢の関係で顔は窺えなかったが､髪色や服装からしてやはりエーミールが一番初めの訓練対象となってしまったらしい｡
『あー､エミ……どんまい』
慌てて俺も滑り落ち､きつい体勢であろう彼を解放させる為に壱の肩を軽く叩く｡流石の壱も直ぐにエーミールを解放した｡
Zm｢ふぅ､お疲れ〜エミさん｣
Em｢ｹﾎｯ……あ"ー……ゾムさん､クリアさん……ｹﾞﾎ､吃驚しましたよホンマに……｣
僅かな時間でも､壱の筋力で絞められたら堪ったものではないだろう｡その証拠に薄らと開かれた瞳には雫が溜まっている｡にも関わらず､エーミールは噎せながらも俺たちに話し掛けてくれた｡
『取り敢えず無理して喋るな､ゆっくり休め｡……それと､今のコイツは壱で､俺は
未だに苦しそうな彼の背中を緩く摩りつつ､名の訂正を──きっと今､名を訂正するべきでは無いのだろうが､どうしてもこの区別をはっきりとしておきたかったが故に訂正をした｡
これに対してのエーミールからの返答はなかったが､如何にも彼らしい､浮かべた緩い笑みが代わりに答えてくれていた｡
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作者名：Youtopia | 作成日時：2021年9月10日 22時
