8：烈火と鬼の如く｡ ページ10
*
『腹が減っていないのか､総統様？』
俺は目の前のコイツを見つめる｡
コイツだけ残るという事はグチグチと説教をされる事に違いないだろう｡
Gr｢いや､結構減っているが｣
『だろうな｡俺が勝手に行動をした事への説教をするつもりなんだろう』
Gr｢……取り敢えず座れ｣
はぁ､と溜め息を吐き､アイツは俺の対面に座った｡
仕方なくソファに座ろうとしたが､トントンの眠りを妨げたくなかったため､俺はソファの肘掛けに軽く腰掛けた｡
Gr｢……そこで良いのか？｣
『五日振りの安眠を邪魔するほど鬼じゃない』
──
Gr｢で､だ｡何故お前はこの行動を取った？｣
『何故？目の前で助けを乞うていた奴を見過ごすわけにはいかなかったからだ』
やはり予想していた流れになっている｡解ってはいたが､今回ばかりは苛立ちが隠せそうにない｡
Gr｢──だとしてもな､勝手にそういった行動を取るな｣
……あぁ､予想通りの反応だ｡
大体コイツは何がしたいんだ｡
昨日は哀しい顔で�爐修里泙泙乃錣襪弔發蠅��瓩筏泙某屬佑襪�せに､今日は怒った顔で�狆ー蠅砲修Δい辰森堝阿麓茲襪吻瓩犯�間に皺を寄せて訳の分からない事を言いやがって｡
あの時からずっとそうだ､コイツは｡赤の他人のくせに､俺の自由を全て奪っていく｡
──巫山戯るのも大概にしろよ｡
Gr｢だから俺は未だに──｣
煩い｡
Gr｢お前をデスクワークに専念させ──｣
煩ェな｡
Gr｢何故俺に──｣
『煩いっつってんのが聞こえんのか！！』
Gr｢ｯ｣
『黙っとれば好き勝手に喋りやがってｯ……お前もｯ！あの
ﾊﾞｼｯ
左頬に残るヒリヒリとした痛み｡じわじわとその部分にだけ集まる熱｡
一瞬何が起こったのか､理解出来なかった｡
ズキズキとした痛みが身体中を侵蝕する｡
Gr｢……好い加減にしろ｣
グイっ､と胸倉を掴まれ､一気にアイツとの距離が縮まる｡
──何故､俺が殴られなければならないんだ｡
──何故､お前が怒っているんだ｡
──何故……なぜ……｡
Gr｢ｯお前､泣いているのか？｣
俺は抵抗する気力すら残っていなかった｡
コイツの手首に雫が垂れ落ちる｡一滴､また一滴と零れて止まない｡
こんなにも無様な醜態を二度も見せたくなかった｡
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作者名：Youtopia | 作成日時：2020年11月8日 17時
