47：平和は束の間の倖せである ページ49
*
翌朝､寝惚けた目を擦りながら食堂の扉を開けた｡
幹部が出揃い朝食をいただこうとしたその時､一般兵士が慌ただしく扉を開け放ってきた｡
ﾊﾞｧｧﾝｯ
「皆様ｯ！大変ですｯ！！」
Tn｢何事や？｣
「それが──ｯ」
──
唐突過ぎるα国幹部の電撃訪問｡どの国も､予定もなく訪問される事は余程な事情が無い限り許されない｡
その余程な事情は大抵二つのうちのどちらかである｡
ひとつ､緊急事態に陥ったが故に救護要請を懇願しに来た｡
だが､ここ最近の世界情勢は落ち着いており､α国をはじめとする数々の列強国は平和な筈だった｡
……となれば､必然的にもうひとつの事情がぴったりと当て嵌まる｡
「──宣戦布告をしに参りました」
目の前の男は淡々と告げ､紐付きの頑丈な封筒を差し出した｡
Gr｢……良いでしょう､受けて立ちますよ｣
Tn｢ちょ､ｯグルさん！！｣
トントンが慌てて止めようと抵抗するも虚しく､総統はその封筒をぱっと受け取る｡
男は薄気味悪い笑みを浮かべた｡
「ではこれで､失礼させてもらう」
ものの数分もしないうちに､世界が引っ繰り返るだろう｡相手は列強国だ､
それでもコイツは受けて立った｡負ける自信が無いのか､とんだ馬鹿なのか……｡
Gr｢──トントン｣
Tn｢あぁ､分かっとる｣
Gr｢久々にパーティーへと招かれたんだ｡──盛大に最ｯ高のショーを繰り広げ､ブチ壊してやろう……！｣
一国の長とは思えない発言｡久々の趣味嗜好に､気分が高揚しているのだろう｡その証拠に顔を紅潮させ､荒ぶる呼吸からか心臓部をキュッと押さえた｡
それでも尚瞳を煌めかせ､悍ましいくらいに満面の笑みを湛えていた｡
──数分後､国内連絡用の無線から悪魔の囁きが響き渡った｡
──
Gr｢──諸君､戦いの準備をしよう｡
君達は何の為に強くなった？何の為に此処まで来たんだ？
全てはｯ！この日の為にやって来たのだろう！！
過酷な鍛錬､峻烈な稽古を積み重ね､数多の戦いに挑んだ昂然たる我々が負ける？──そんな事は有り得ない！赦されないｯ！
戦え！！──全ては我々の為にｯ！！｣
──
──さぁ諸君､戦争をしよう!──
──ハイル・グルッペン!──
.
*……To Be Continued
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作者名：Youtopia | 作成日時：2020年11月8日 17時
