第15話 ページ17
次に起きたのは夕方
目を開けた先にいたおじさんの顔はくもっている
『結果は？』
前よりも、酷かったのだろうか
ため息混じりに、結果を渡される
やはり、前よりも酷くなっていた
「前にも言ったが、
右腕と左足を失ったぶんの負担、
重傷を少し放置したり、
栄養を摂らなかったり、
他にも沢山あるが、人間のキャパを軽く超えている
このままだと本当にﾀﾋんじまうぞ」
最後の1枚に、マーカーが念入りに引かれた部分をよく読む
体の器官がどうのこうのと、最後に
『余命……』
あくまで、このままの生活を送った結果らしい
軍を抜けて、平凡に暮らすか
または、入院して軍に戻るか
「それかあそこ、サラカとよく遊んでた……
なんて言ったかの、白い国のやつ」
『ぴくとのこと？』
ぴくとは元白い国…
今は改名して、ぴくと国の王を務めている
継承者候補の時は、訓練やお勉強が嫌だとか言って、隣国で最も近いこの街によく逃げてきていた
「あいつの国に住めばいいじゃないか
あいつ平和主義者？だから無駄な戦争もねえだろ」
平和主義者というよりは、政治を回すので手がいっぱいとか言っていた気がするが…
『ぴくとはもう遠い存在だし、何よりもう身分の差が大きすぎる
それに、友達には頼れないよ』
元々頼る気もないのだが
おじさんはまた呆れたような顔をする
「お前はなんでここまでするんだ」
『…私以上に生きるべき人、生きたかった人が何人もいたんだ
守りたかったものも沢山あったんだ
なのに、さぁ？
こんな私だけは毎回生きのびている
沢山のものを守れなかった私が
姉さんだって、誰かを守って戦場で息絶えたんだ
なのに私はｯ…』
私は、何が守れた？
守れたものなんてあったのだろうか
思い出せない
守れなかった者たちの顔が、今でも脳裏に焼き付いている
私より生きるべきだった人
そんな彼らは今日を迎えられなかったのだ
彼らに比べたら、私の体なんてもはやどうでもいい
ただ、彼らが浮かばれるように少しでも国のために働きたい
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 529人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シヱ(プロフ) - コメント失礼します！いつも楽しく読ませていただいてます！ もし私の勘違いだったらすみません、ぐぅちゃんはドラゴンではなくヒッポグリフですよ！ (2019年11月20日 15時) (
レス) id: 79a622e397 (このIDを非表示/違反報告)
夢女子癒月 - 第六話のとこ、アメリアになってませんか？ (2019年11月17日 20時) (レス) id: cca028059e (このIDを非表示/違反報告)
まーぶる(プロフ) - どもです！、すっごい楽しみに見させてもらってます！…もう、文才がありまくリですごいっす…！これからもずっと応援してますね！ (2019年11月17日 15時) (レス) id: 202e147d3a (このIDを非表示/違反報告)
tamagoooo(プロフ) - はじめまして。たまこです。いつも見させていただいています。失礼ですが、16話がないですよ…?では、これからも応援しています。面白い作品を期待しています。 (2019年11月13日 17時) (レス) id: df2a86f5a8 (このIDを非表示/違反報告)
ブンブン(プロフ) - 面白すぎです！更新頑張ってください！ (2019年11月13日 8時) (レス) id: 4a511d68cf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：月影ハロウ | 作成日時：2019年11月8日 1時
