第30話 ページ32
《htside》
中庭の花に水を上げていたら、狼の遠吠えが聞こえた
そういえば、Aが連れ帰ってきたのだ
朝っぱらから迷惑だなと、聞こえてきた噴水の裏側を見る
すると、噴水から出ている足を必死に引っ張ったり、助けを求めるように遠吠えをしている狼の子供がいた
誰かが溺れている？
まぁ、この狼がいる時点で誰かは予想できるのだが
狼の子が俺に気づいて離れる
少しだけ離れて俺の様子を伺っているのを見ると、助けてくれると思っているのだろう
だがまぁ、このままだと胸糞が悪くなるだろうから助けることにした
噴水から引き上げると、青白い肌が太陽に照らされる
手遅れだったのだろうか
焦って、心臓に手を当てる
少なからずとも、心臓の音はなっていた
『ｹﾞｯﾎ!ｺﾞﾎｯ…』
勢いよく咳をしたかと思うと、口から大量の水を吐き出した
Aはﾋｭｰﾋｭｰとか細い呼吸をしながら、体を起こした
ht「良か、った…
生きてた…」
思わず、安堵の声を出す
けれど、俺に気づいてないのかボーッと遠くを眺めてため息を漏らした
『沈んで、いたかった…
苦しいなぁ…
お姉ちゃん、ぴくと…おじさん…
助けてよ…』
独り言を、壊れたように吐いている
『××病院は…
あぁ、もう行けないんだ
もう、助けて貰えないんだ
どうしよう、どうしよう』
目は真っ暗で、体は冷えたのか震えている
××病院といえば、昨日Aが行けなくされた街にある大きな病院だ
なら、街に行っていたのは病院に用があったから？
医務室に行かないのは、その病院に通っているから？
か細い声を漏らすAは、うずくまって顔が見えない
俺には気づいているだろうか、？
どうやって声をかければいい、？
どうやったら、深く沈んだようなこいつを助けられる、？
仲間なのに、吐き出される言葉の深い意味がわからない
どうしてこうなったのかもだ
狼の子は、寄り添ってあげてるのに
どうすることも出来ない俺は、ただその場から逃げてしまった
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シヱ(プロフ) - コメント失礼します！いつも楽しく読ませていただいてます！ もし私の勘違いだったらすみません、ぐぅちゃんはドラゴンではなくヒッポグリフですよ！ (2019年11月20日 15時) (
レス) id: 79a622e397 (このIDを非表示/違反報告)
夢女子癒月 - 第六話のとこ、アメリアになってませんか？ (2019年11月17日 20時) (レス) id: cca028059e (このIDを非表示/違反報告)
まーぶる(プロフ) - どもです！、すっごい楽しみに見させてもらってます！…もう、文才がありまくリですごいっす…！これからもずっと応援してますね！ (2019年11月17日 15時) (レス) id: 202e147d3a (このIDを非表示/違反報告)
tamagoooo(プロフ) - はじめまして。たまこです。いつも見させていただいています。失礼ですが、16話がないですよ…?では、これからも応援しています。面白い作品を期待しています。 (2019年11月13日 17時) (レス) id: df2a86f5a8 (このIDを非表示/違反報告)
ブンブン(プロフ) - 面白すぎです！更新頑張ってください！ (2019年11月13日 8時) (レス) id: 4a511d68cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月影ハロウ | 作成日時：2019年11月8日 1時
