43話▼ ページ45
体がふわふわするのを感じ、ゆっくりと目を覚ます
視界にソルが映り、体を起こそうとするが何かが体にくっついていて、それが出来ない
sl「お、目覚めたかい」
『えぇ、おかげさまで
ありがとうございます
ところでこれは…』
ゆっくり首だけを動かし、体にくっついた人を見る
スヤスヤと気持ちよさそうに寝息を立てているショッピくんがいるのだ
sl「あぁ、お前さんの治療が終わった時、晩飯を作るから見ていてくれと頼んだら一緒に寝ていてね
他の子らは騒いだが、年下なのと怖い思いをしたってので見逃してくれてたよ」
困ったような素振りを見せたが、なんだか楽しそうに語るソル
『ふふっ、そうでしたか
ねぇ、ソル
うちの子達は可愛いでしょう？』
sl「そうだな
見ていて飽きないし、面白い」
元人間であるが、人間が嫌いになりつつあったソルが、子供達を見て心から楽しそうに笑っている
それが、とても嬉しく思えた
sl「それにしても、お前さんが施設に預けず、自ら拾った子を育てるなんて…
ペ神様を見る限り、神託を与った訳じゃないんだろぅ？
ショッピは遮断魔法で耳を塞いだ
だから、あたしには教えてくれないかい？」
やはり、感がいいのですね…
『私は…
もう、“長くないんです”
私の力はご存知でしょう？
嫌でもその事が見えてしまう
自分がどうなるのかが
そして、国のことも
そんな時に、3人の子供と出会いました
その子達には、国を変える力があるんだと見えたんです
自分を救う術はないけれど、せめてこの国は…と
他の子達も同じです
皆、国の為の力を持っている
だから、育てることにしたのですよ』
今思えば、利用するためだけに拾ったのと大差ない理由だった
けれど、変わった
子供達とすごしてから
私は、ペ神様への恩返しのためにこの国を救っているだけだった
行動の全てが、恩返しのためのようなものだった
誰かに何かをすることで、空っぽの何かが満たされたから
それでも、いつも悲しくて、虚しかった
でも、子供達がそれを消してくれた
人の良さを、教えてくれた
人を愛する喜びを、教えてくれた
ソルやグレイシアでも、一見変わったようには思えないだろう
それでも、行動に変化はなくとも、気持ちに変化があったのは明らかなんだ
sl「…そうかい
なら、せめて消えるまでは子供達と楽しく過ごすんだよ
離れても、悔いが残らないように」
『はい…』
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有(プロフ) - 好きです。これからも無理せず更新頑張ってください。 (2019年7月18日 15時) (
レス) id: 3b3f8a8c71 (このIDを非表示/違反報告)
月楼 永夜(プロフ) - ングッ！こっ…これは！素晴らしい作品の予感…！頑張って下さい！応援してますぅぅぅ！ (2019年7月17日 19時) (レス) id: 448baec34e (このIDを非表示/違反報告)
ねむねむ(プロフ) - 凄いです！応援してます！頑張ってください！ (2019年7月16日 20時) (レス) id: ed58847328 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月影ハロウ | 作成日時：2019年7月16日 17時
